広告 猫の慢性腎臓病 症状

猫の慢性腎臓病 ~知っておきたい症状~

2024年12月20日

 

ポイント

猫の食欲が落ちたり、体重が減ったり・・・
そんな違和感を見逃していませんか?
そういったちょっとした事が、もしかすると「腎臓病の初期症状」かもしれません。

 

猫の慢性腎臓病の症状とは? ~見逃せない観察ポイント~

猫の慢性腎臓病(CKD)は、「高齢猫に多く見られる」病気の一つです。

しかし、「ゆっくり進行」するため、飼い主さんが「異変に気づきにくい」病気です。

次のような症状が、比較的現れやすいです。


1. 多飲多尿(たくさん水を飲む、たくさん尿が出る)

メモ

健康な猫の1日の水分摂取量は、体重1kgあたり約50~60mlとされています。

体重4kgの猫であれば1日200~240mlが目安

<注>※食べ物に含まれる水分も含む

 

慢性腎臓病の初期段階で、特に目立つ症状が「多飲多尿」です。

腎機能が低下すると、身体の中の「老廃物をどんどん排泄」しようとするため、「尿量が増加(多尿)」します。

その結果、猫は「喉が渇き」、水をたくさん飲む(多飲)ようになります。

体重4kgの猫の水分摂取量は1日200~240mlが目安
※食べ物の含有水分も含む

 

普段から「水を飲む量」や「トイレの様子」を観察しておくと、異常に気づきやすくなります。


2. 食欲不振

腎機能の低下により、体内に「老廃物が蓄積」すると、食欲が減退します。

慢性腎臓病の猫では、軽度~重度の「胃潰瘍」が起きているという報告もあります。

そのため。「食欲不振」や「吐き気」が現れるようになります。

 

【参考文献】

食べない犬と猫をどうする(動物臨床医学/29 巻 (2020) 2 号)


3. 体重減少

慢性的な腎臓の病気は、身体全体の「栄養バランスを崩し」ます。

食欲不振に加え、身体が「必要な栄養を吸収できなくなる」ため、徐々に体重が減少します。

特に、「肋骨や背骨が目立つ」ようになったり、「筋肉が落ちてきた」りした場合は、注意が必要です。

 

一緒に暮らしていると、徐々に痩せていく微妙な変化に気づかない場合も多いです。

【お家でもできる】猫の慢性腎臓病の早期発見3つの方法

定期的な「体重測定」をお奨めします。


4. 嘔吐

腎臓が正常に働かないと、血液中に毒素が蓄積し、「消化器系(胃腸)」に悪影響を与えます。

その結果、猫は「頻繁に嘔吐」するようになります。

嘔吐が繰り返されると、さらなる脱水や食欲低下を招く悪循環に陥ることがあります。

猫は、よく吐く動物ですが、「1日3~4回以上」吐いている、または「1日1~2回の嘔吐が3日以上」続いている場合には、動物病院の受診をお願いします。


5. 脱水

腎機能の低下によって「多尿が続く」と、体内の「水分バランス」が崩れ、「脱水症状」が現れます。

皮膚を軽くつまんで、「元に戻るのに時間がかかる」、「口の中が乾燥」している、といった症状が見られた場合、「脱水(状態)」の可能性が考えられます。

首の後ろの皮膚を少し持ち上げて、すぐに戻るのが正常

👉脱水しているかどうかの判断法


6. 口内炎

慢性腎臓病では、体内の毒素が「口腔内の粘膜にも影響」を与え、「口内炎」を引き起こすことがあります。

猫が「食べるときに痛みを感じる」ようになり、さらに「食欲が減退」する原因となります。

 

慢性腎臓病の進行とともに、「全身麻酔下での歯科処置」ができなくなることが予想されます。

腎臓病のステージが低いうちに、「歯石のクリーニング」を行う事もお奨めします。

⇒老齢猫でも食べる力を維持するために・・・


7. 被毛の粗剛化(毛がパサパサになる)

健康な猫の毛は柔らかく光沢がありますが、慢性腎臓病のなると、「毛がパサつき」、「毛艶が失われ」ます。

体調不良や、脱水の影響で毛づくろいをしなくなることも要因の一つです。

病気が進行するにしたがって、「全身の被毛が乱れます」


8. 元気消失

慢性腎臓病の猫は、病気の進行とともに「エネルギーが不足」し、「活動量が減少」します。

普段よく遊んでいた猫が、「横になってばかり」いる、飼い主に対して「反応が鈍く」なる、といった変化が見られる場合があります。


慢性腎臓病の症状が現れる仕組み

慢性腎臓病の症状は、「体内の老廃物や毒素が蓄積すること」で引き起こされます。

腎臓は、身体の健康を維持するための「フィルターの役割」を果たしていますが、機能が失われると次のような問題が生じます。

  1. 老廃物の蓄積(尿毒症)
    毒素が血液中に残り、全身に悪影響を与える。
  2. 水分・電解質のバランス異常(脱水)
    尿の排出が過剰になり、体内の水分が失われる。
  3. ホルモンバランスの乱れ(高血圧・貧血)
    腎臓が関与するホルモンの調整が失われ、「高血圧」や「貧血」が生じます。

これらの結果として、猫の身体に慢性的な不調が現れます。


飼い主さんができること

慢性腎臓病の症状は、「初期段階では非常にわかりづらい」です。以下のポイントを心がけましょう。

  1. 定期的な健康診断
    年に1~2回の「血液検査」や「尿検査」を受け、腎臓の状態を確認する。
  2. 日常の様子を記録
    「食欲」や「飲水量」、「トイレの回数」、「体重の変化」を観察し、異常があれば早めに獣医師に相談する。
  3. 適切なケアを提供
    症状が出た場合は、獣医師の指導の下、適切なケア(食事・投薬・皮下点滴など)で体調を管理する。

⇒普段使っているトイレの下に、ボードを敷くだけ。

「トイレの回数」や「体重の変化」を、自動で測定してくれる「Catlog Board」という方法も、お奨めです。


まとめ

猫の慢性腎臓病は、「多飲多尿」や「食欲不振」、「体重減少」といった、日常的な変化から始まることが多いです。

これらの症状をいち早く発見し、適切な対応を取ることで、病気の進行を抑え、愛猫の生活の質を守ることができます。

 

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