猫の慢性腎臓病の症状~体重減少~
猫の慢性腎臓病(CKD)では、さまざまな症状が現れます。
「体重減少」は、飼い主さんが、比較的「早く気づくことができる」重要なサインです。
体重減少とは?
体重減少とは、猫の体重が「正常な範囲を下回り」、見た目にも痩せた印象を与える状態を指します。
病気が進行するにつれて、「十分な栄養素」が摂取できなくなり、徐々に体重が減少していきます。
筋肉量の減少が目立つ(フレイルと言います)ことが多く、肋骨や背骨がはっきりと見えるようになることもあります。
慢性腎臓病が引き起こす体重減少の原因
1. 食欲不振
腎臓の機能が低下すると、体内に「老廃物が蓄積」し、消化器系に悪影響を与えます。
※血液検査の項目:「BUNが50mg/dLを超えた」あたりから、食欲の低下がみられます。
その結果、「食欲不振」が引き起こされ、必要な栄養素を十分に摂取できなくなります。
2. 筋肉の分解
腎臓病が進行すると、エネルギー不足を補うために「筋肉が分解」され、徐々に体重が減少します。
これを「異化亢進」と呼び、特に慢性腎臓病の猫でよく見られます。
3. 栄養吸収率の低下
腎機能の低下により、体が食事から「効率的に栄養を吸収できなく」なります。
その結果、適切な食事量を摂取していても体重が減少することがあります。
4. 脱水
慢性腎臓病では「尿量が増える」ため、体内の「水分が不足」します。
慢性的な「脱水状態」は、体全体の重量を減少させます。
5. 代謝異常
腎臓は。「新陳代謝」の調節にも関与しています。
慢性腎臓病では、このバランスが乱れて、体重減少を引き起こします。
体重減少が進行することで起こる問題
体重減少は、猫の体にさまざまな悪影響を及ぼします。見て見ぬふりをすると、以下のような問題が発生します。
- 免疫力の低下
十分な栄養を摂れない状態が続くと、体の「免疫力が低下」し、感染症などの他の病気にかかりやすくなります。 - 筋力の低下
筋肉量の減少により、「歩行」や「ジャンプ」などの基本的な動作が難しくなることがあります。 - エネルギー不足
体力が低下し、「元気がなくなり」、活動量が減少します。 - さらなる腎臓への負担
栄養不足が腎臓の機能を「さらに低下」させ、病気の「進行を加速」させます。
体重減少を発見するためのポイント
飼い主さんが、日常生活で「体重減少に気づく」ためには、「定期的な体重測定」に尽きます。
週1回程度、猫の体重を測定して記録する習慣をつけましょう。家庭用の体重計に一緒に乗りましょう。
⇒体重測定は、「家でできて」、「お金がかからなくて」、「痛くなくて」、「信頼性の高い」検査です。
体重減少を防ぐためのポイント
「多飲多尿」や「体重減少」に、早く気付くことは、定期的な血液検査などに比べて、「腎臓病の早期発見」につながります。
自動的に「排尿・体重を記録」してくれる「スマートトイレ」を活用して、日頃からデータの上下を"数値で"確認する事は、無理なく始められます。
まとめ
「体重減少」は、猫の慢性腎臓病の進行を示す「重要なサイン」の一つです。
日頃から、猫の「体重の変化に注意」を払い、「早期に対応」することで、病気の進行を遅らせ、生活の質を維持することが可能です。