![](https://nekodoctor222.com/wp-content/uploads/2024/11/36-1024x576.jpg)
![](https://nekodoctor222.com/wp-content/uploads/2024/11/ENLISH-2-5-2.jpg)
猫の慢性腎臓病の治療~電解質調整~
電解質のバランスを維持することは、症状の緩和や生活の質(QOL)の向上に重要です。
電解質の異常は腎臓病の進行に伴いよく見られるため、適切な治療と管理が必要です。
電解質とは?
電解質とは、体液に溶けているナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなどのイオンを指します。
以下のような役割に関係があります:
- ナトリウム:細胞間の水分バランス
- カリウム、マグネシウム:筋肉や神経の機能
- カルシウム、リン:エネルギー代謝や骨の形成、筋肉の収縮
腎臓はこれらの電解質を調整し、体内のバランスを保つ役割を担っています。
電解質異常と慢性腎臓病
慢性腎臓病では、以下のような電解質異常が起こりやすくなります:
1. 低カリウム血症
腎臓病では尿の中にカリウムが過剰に排出されます。
以下の症状が現れることがあります:
- 筋力の低下
- 元気消失、食欲不振
- 便秘
2. 高リン血症
血液中のリンが排出されにくくなり、高リン血症が生じます。
腎臓病を悪化させるだけでなく、骨の異常や全身の炎症反応を引き起こします。
3. カルシウムバランスの異常
高リン血症が続くと、カルシウムとリンが結合して沈着物を形成(石灰化)します。
骨や血管、臓器に悪影響を与えます。
腎臓病ではカルシウムの吸収や調整にも影響が出ます。
4. ナトリウムの異常
ナトリウム濃度が「低下すると脱水や低血圧」、「高濃度になると高血圧」を引き起こします。
慢性腎臓病ではこれらの異常が交互に現れることがあります。
5. マグネシウムの異常
マグネシウムが不足すると、筋肉の痙攣や疲労が起こることがあります。
一方で、過剰になると腎臓の負担を増やす可能性があります。
電解質調整の治療方法
電解質異常を改善するためには、次のような方法があります:
- カリウム補充
- リン吸着剤の使用
- カルシウム調整
- 点滴治療
- 療法食の活用
電解質調整の注意点
- 定期的な検査
電解質バランスは、猫の体調や病状によって変化します。
定期的な血液検査や尿検査で、電解質の状態を確認し、調整します。 - 獣医師の指導
電解質異常は、過剰な補充や不適切な治療で、悪化することがあります。
獣医師の指導のもとで、適切な治療を行うことが、大切です。 - 食事と薬の組み合わせ
食事療法と薬物療法を組み合わせて、治療を進めることが、より効果です。
まとめ
猫の慢性腎臓病の治療において、電解質の調整は、症状の緩和や病気の進行抑制に、欠かせない重要なアプローチです。
電解質バランスを適切に管理することで、腎臓の負担を軽減し、愛猫の生活の質を向上させることができます。
獣医師と密に連携しながら行い、定期的な検査で状態を確認することが必要です。
![](https://nekodoctor222.com/wp-content/uploads/2024/11/ENLISH-2-5-2.jpg)
![](https://nekodoctor222.com/wp-content/uploads/2024/11/ENLISH-2-10.jpg)