広告 治療 猫の慢性腎臓病

35猫の慢性腎臓病の治療~リン吸着剤~

2024年12月20日

 

 

 

猫の慢性腎臓病の治療~リン吸着剤~

猫の慢性腎臓病(CKD)の症状の中で、高リン血症は慢性腎臓病の進行を加速させる重要な要因です。

血中のリンは、適切に管理することが必要で、そのために用いられるのがリン吸着剤です。


なぜリン吸着剤が必要なのか?

腎機能が低下すると、リンを排泄する能力が低下します。

血液中のリン濃度(血中リン濃度)が上昇した状態を、「高リン血症」と呼びます。

高リン血症は以下のような問題を引き起こします:

1. 腎臓へのさらなるダメージ

高リン血症は、腎臓の「炎症」や「線維化」を進行させます。

慢性腎臓病を悪化させる原因となります。

2. 骨や血管への悪影響

リンがカルシウムと結合して骨や血管、臓器に沈着します。(石灰化)

骨が脆くなったり、動脈硬化を引き起こすことになります。

3. 全身の炎症反応

リン濃度が高い状態が続くと、慢性的な炎症が全身で進行します。

猫の身体のあちこちに、悪影響を及ぼします。


リン吸着剤(サプリメント)の役割

療法食によるリン制限が基本ですが、リン濃度が十分に低下しない場合、「リン吸着剤」の使用が推奨されます。

リン吸着剤は、食事中のリンが腸で吸収されるのを防ぎます。

腎臓がリンを排出できなくても、吸収自体を抑えることで、血中リン濃度の上昇を防ぎます。


主なリン吸着剤の種類

1. カリナールコンボ

カリナールコンボ

2. プロネフラ

プロネフラ

3. キドキュア

キドキュア

4. イパキチン

イパキチン

 


使用時の注意点

1. 適切な投与量を守る

過剰な投与は、「便秘」や「カルシウム過剰」を引き起こす可能性があります。

必ず獣医師の指示に従いましょう。

2. 定期的なモニタリング

血液検査で血中リン濃度を定期的にチェックし、必要に応じて給与量を調整します。

3. 薬の種類や好みに配慮

猫が薬を嫌がる場合、粉末タイプや液体タイプのリン吸着剤を使い分けることも可能です。


他の治療法との併用

リン吸着剤は、以下の治療法と組み合わせることで効果を高めることができます:

  • 療法食:低リンの療法食を基本とする。
  • 皮下点滴:老廃物の排出をサポート。
  • 薬物療法:腎臓の血流改善や高血圧管理などと併用。

まとめ

リン吸着剤は、高リン血症を管理するために重要です。

適切に使用することで、腎臓病の進行を抑え、愛猫の健康をサポートする効果が期待できます。

使用の際には獣医師の指導を仰ぎ、療法食や他の治療と組み合わせることも必要です。

 

 

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