猫の慢性腎臓病の治療~経過観察~
猫の慢性腎臓病(CKD)は、付き合っていく病気なので、経過観察が欠かせません。
経過観察は、治療の「効果を確認」し、「新たな症状や合併症」を早期発見するために重要です。
なぜ経過観察が重要なのか?
1. 病気の進行を把握する
慢性腎臓病は徐々に進行する病気で、時間の経過とともに腎機能が低下します。
定期的に経過を観察することで、病気の進行速度や治療の効果を把握することができます。
2. 合併症の早期発見
高血圧、高リン血症、貧血などの合併症は、腎臓や全身の健康に大きな影響を与えます。
早期に発見し、適切な対処を行うことで、全身状態の悪化を防ぐことが可能です。
3. 治療方針の見直し
猫の状態や病気の進行度に応じて、治療内容を調整する必要があります。
経過観察の結果をもとに、食事療法や薬物療法、点滴治療の見直しを行います。
経過観察で行う主な検査
経過観察では、腎臓の状態や全身の健康を評価するための検査は、診断時の検査と同様です。
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経過観察の頻度
経過観察の頻度は猫の状態や病気の進行度によって異なりますが、以下が一般的な目安です:
- 軽度の腎臓病(ステージ1~2):2~6ヶ月ごとに検査を実施。
- 中等度~重度の腎臓病(ステージ3~4):1~3ヶ月ごとに検査を実施。
- 急激な症状の変化がある場合:随時、追加の検査を行う。
飼い主が行う日常的な経過観察
動物病院での検査も大切ですが、飼い主さんが、日常的に愛猫の状態を観察することも重要です。
1. 食欲や水分摂取量
「食欲不振」や「多飲多尿」は腎臓病の進行を示すサインです。
特に、「水分摂取量が減少」している場合は、注意が必要です。
2. トイレの様子
尿の量や回数、色、においに変化がないか確認します。
3. 体重の変化
体重を定期的に測定し、急激な減少がないか確認します。
4. 行動の変化
元気がない、疲れやすい、嘔吐が増えたなどの症状が見られる場合、早めに獣医師に相談してください。
Catlog Boardなどのスマートトイレを使用する事も、経過観察には有用です。
経過観察のポイント
- 検査結果を「記録」する
検査結果を記録し、次回の診察時に獣医師と共有することで、治療計画の見直しがスムーズになります。 - 「様子の見すぎ」は禁物
日常的な観察で変化があった場合、不安な場合には、獣医師に相談しましょう。 - 「継続的なケア」が重要
慢性腎臓病は長期的な管理が必要な病気です。一度の治療で終わりではなく、継続的なケアを心がけましょう。
まとめ
定期的な検査と日常的な観察を組み合わせることで、病気の進行を把握することが可能です。
経過観察は、単なる「様子見」ではなく、経過の記録を行う事が大切です。