猫の慢性腎臓病の予防~毒物の回避~
猫の慢性腎臓病(CKD)を予防するためには、毒物の回避が非常に重要です。
猫は特定の食材や化学物質に敏感で、これらが腎臓に深刻なダメージを与えることがあります。
毒物による腎障害は急性の場合も慢性の場合もあり、注意が必要です。
猫に有害な毒物とその影響
1. ユリ科の植物
ユリは猫にとって非常に危険な植物です。
葉や花粉、花びら、茎、根などのどの部分にも有害物質が含まれています。
わずかな接触や摂取でも急性腎障害を引き起こすことがあります。
- 症状:
- 嘔吐、食欲不振、脱力、痙攣など。
- 腎不全が進行し、亡くなるケースも多いです。
- 予防策:
- 家や庭にユリ科の植物(ユリ、スズラン、チューリップなど)を置かない。
- 花束にも注意し、ユリが含まれていないか確認する。
2. 人間用の薬品
猫は、肝臓の解毒機能に人間や犬と違う部分があります。
分解できない医薬品が多く、腎臓に深刻なダメージを与える場合があります。
- 症状:
- 嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振、腎不全。
- 予防策:
- 人間用の薬を猫の届かない場所に保管する。
- 獣医師の指導なしに薬を与えない。
3. エチレングリコール(不凍液・保冷剤)
不凍液に含まれるエチレングリコールは、猫にとって非常に有害です。
わずかな摂取でも急性腎不全を引き起こす可能性があります。
- 症状:
- 嘔吐、ふらつき、昏睡、腎不全。
- 予防策:
- 車の整備時に不凍液を使用した後は必ず掃除をする。
- エチレングリコールが漏れた場合、すぐに拭き取る。
5. 家庭用の洗剤や薬剤
漂白剤や殺虫剤、除草剤などの化学薬品も猫にとって危険です。
- 症状:
- よだれ、嘔吐、皮膚や口の炎症、腎障害。
- 予防策:
- 使用後は製品をしっかりと密閉し、猫が触れない場所に保管する。
- 使用した場所が完全に乾くまで猫を近づけない。
まとめ
猫が有害な物質に触れないよう環境を整え、飼い主が日々の管理を徹底することが大切です。
毒物の摂取に限らず、夜間病院など、緊急時の救急病院を近くで探しておくことも重要です。