広告 治療 猫の慢性腎臓病

37猫の慢性腎臓病の治療~血圧管理~

2024年12月20日

 

 

 

 

猫の慢性腎臓病の治療~血圧管理~

猫の慢性腎臓病(CKD)で特に注意が必要なのが高血圧です。

慢性腎臓病と高血圧は密接な関係があります。

高血圧が腎機能をさらに悪化させるだけでなく、他の臓器にも深刻なダメージを与えます。


なぜ血圧管理が重要?

1. 高血圧が腎臓に与える影響

高血圧は、腎臓の細かい血管に負担をかけ、腎機能を悪化させます。

腎臓病の進行が加速します。

2. 他の臓器への悪影響

高血圧は、腎臓以外の臓器にも影響を与えます:

  • :網膜剥離や失明。
  • 心臓:心肥大や心不全。
  • :脳神経や血管障害。

猫の高血圧の基準

猫の正常な収縮期(上の)血圧は120~150mmHg程度です。

以下の基準が参考になります:

  • 160~179mmHg:軽度の高血圧。臓器への影響が現れる可能性あり。
  • 180mmHg以上:重度の高血圧。腎臓や他の臓器に深刻なダメージを与える可能性が高い。

血圧管理の方法

1. 血圧測定

慢性腎臓病の猫では、定期的な血圧測定が必要です。

動物病院での測定のほか、家庭用の血圧計も販売されています。

2. 降圧薬の使用

猫の高血圧管理には、以下のような降圧薬が使用されます:

  • アムロジピン
    • 主に血管を拡張し、全身の血圧を下げる効果があります。
    • 高血圧の猫に最も一般的に処方される薬剤です。
  • ベナゼプリル(フォルテコール)
    • レニン・アンジオテンシン系を抑制し、腎臓の血流を改善する効果があります。
    • 尿タンパクの減少にも役立つため、腎臓の保護に適しています。
  • テルミサルタン(セミントラ)
    • 高血圧を抑えるだけでなく、腎臓の炎症や酸化ストレスを軽減する作用があります。

3. 療法食の活用

ナトリウムが制限された腎臓病用療法食は、高血圧の管理に役立ちます。

ただし、猫の高血圧とナトリウムの関係については、未解明な部分もあります。

4. 生活環境の改善

猫は、ストレスによって、血圧が上昇しやすい動物です。

静かで快適な環境が、ストレスを最小限に抑えることにつながります。


まとめ

血圧管理は、猫の慢性腎臓病治療において重要な役割を果たします。

高血圧は腎臓病を悪化させるだけでなく、全身の臓器に深刻な影響を及ぼします。

 

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