広告 予後 猫の慢性腎臓病

43猫の慢性腎臓病の予後~栄養状態~

2024年12月20日

 

 

 

 

猫の慢性腎臓病の予後~栄養状態~

猫の慢性腎臓病(CKD)の予後を左右する重要な要素が栄養状態です。

病気の進行や治療の影響によって食欲が低下しやすく、栄養不足に陥るリスクが高まるからです。

適切な栄養を確保することで病気の進行を抑え、愛猫の生活の質(QOL)を向上させることが可能です。


栄養状態が予後に与える影響

1. 病気の進行を抑える

慢性腎臓病では、「老廃物の蓄積を抑えるため」、適切な栄養管理が重要です。

特に、リン・タンパク質を考慮した食べ物を摂取することで、腎臓の機能低下を遅らせる効果があります。

2. 体力と免疫力の維持

栄養素の不足が続くと体重が減少し、筋力や免疫力も低下します。

感染症や合併症のリスクが高まり、病気が進行する可能性が増します。

3. 生活の質の向上

バランスの良い栄養素を摂取することで、猫の元気や活動量が増え、生活の質が向上します。

食欲が戻ること自体が、猫にとって「幸せな生活」につながります。


慢性腎臓病の猫における栄養管理のポイント

1. 腎臓病に配慮されたフードを導入

年齢を考慮したフードや、腎臓病用の療法食は、腎臓への負担を軽減し、病気の進行を抑えるように設計されています。

療法食については、獣医師や、動物病院スタッフの栄養指導の下、活用してください。

  • 低タンパク質:老廃物の生成を抑える。
  • 低リン:高リン血症のリスクを軽減。
  • 適切なエネルギー量:体重を維持できるよう高エネルギー設計。
  • 抗酸化成分:酸化ストレスを抑える成分を含む。

腎臓病の進行を遅らせるとともに、栄養バランスを保つことが可能です。

2. 食欲不振への対応

慢性腎臓病の猫では、食欲が低下することがよくあります。対処法としては:

  • 嗜好性の高い療法食を選ぶ:ウェットフードやスープタイプなど猫が好む形状のフードを試す。
  • 温めて香りを引き立てる:フードを少し温めることで、嗅覚を刺激し、食欲を促進。
  • 少量ずつ頻回に与える:一度に多くを食べられない猫には、少量ずつ分けて与える方法が有効です。

3. 水分補給の徹底

腎臓病の猫は脱水症状を起こしやすいため、十分な水分摂取が必要です。

  • 水を飲みやすい環境を整える:「ウォーターファウンテン」の導入や、複数の給水器を設置。
  • フードに水分を追加:ウェットフードやスープに、水を加えて摂取量を増やします。
  • 経口補水ゼリー:味付きの、ゼリー状補助食品が市販されています。

栄養状態が悪化する原因と対応策

1. 食欲不振

慢性腎臓病の猫では、老廃物の蓄積や体調不良による食欲不振がよく見られます。

  • 対応策:食欲増進剤や嗜好性の高いフードの導入。

2. 嘔吐や消化器症状

消化器症状が栄養摂取を妨げる場合があります。

  • 対応策:制酸剤(胃薬・吐き気止め)や、消化を助ける薬を使用して、胃腸の負担を軽減。

3. 嗜好性の問題

療法食に慣れない猫は、全く食べなくなってしまう場合があります。

  • 対応策:複数の療法食を試し、猫の好みに合うものを見つける。

栄養状態の確認方法

1. 体重測定

定期的に体重を測定し、体重減少が見られた場合はすぐに対策を講じます。

2. 体格スコア(BCS)の評価

体格スコアを使用して、猫が痩せすぎていないか、または体重が維持されているかを確認します。

3. 獣医師による血液検査

アルブミンや電解質を確認し、栄養状態・脱水の有無などを判断します。


飼い主さんができること

  1. 日常的な観察:食欲や水分摂取量、体重をこまめにチェック(記録)する。
  2. 獣医師と連携する:猫の状態に応じた治療計画を相談し、適切なケアを続ける。

まとめ

猫の慢性腎臓病において、栄養状態は予後を大きく左右する重要な要因です。

適切な栄養状態を確保することで、病気の進行を抑え、愛猫のQOLを向上させることが可能です。

 

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