広告 猫の慢性腎臓病 診断

27猫の慢性腎臓病の診断~SDMA~

2024年12月20日

 

 

 

猫の慢性腎臓病の診断~SDMA~

猫の慢性腎臓病(CKD)は、早期発見によって、病気と長く付き合っていく事が可能です。

SDMAは、慢性腎臓病の「早期発見に役立つマーカー」として利用されています。


SDMAとは?

SDMAは、身体の中で発生した代謝物で、腎臓を通って尿で排泄されます。

腎機能が低下すると、SDMAが「血液中に蓄積」します。

血液検査でSDMAの濃度を測定することで、腎臓の健康状態を確認できます。


SDMA検査が注目される理由

1. 早期発見が可能

SDMAは、腎機能が「約25~40%低下」した段階で上昇します。

クレアチニンは腎機能が「約75%失われ」るまで異常値として現れません。

SDMAは、「早期の腎障害」を検出できます。

BUN,Creは基準値内、SDMAのみ上昇

2. 体格や筋肉量の影響を受けにくい

実は、クレアチニン値は、猫の「筋肉量の影響」で、数値が上・下します。

筋肉量が少ない猫(高齢猫、やせた猫)では、腎機能が落ちていても低い値が出ます。

SDMAは筋肉量の影響を受けにくく、「体格に関係なく正確な評価」が可能です。

 

3. 病気の進行度や治療効果のモニタリング

SDMAは、腎臓病の「進行状況」や「治療効果を評価」するための、指標としても利用されます。

 


SDMA検査の対象となる猫

以下の猫には特にSDMA検査が推奨されます。

  • 高齢猫(7歳以上)
    年齢とともに腎臓病のリスクが増えるため、定期的な健康診断での測定が推奨されます。
     
  • 症状が見られる猫
    多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状がある場合。
     
  • 腎臓病リスクが高い猫種
    ペルシャ猫や、エキゾチックショートヘアなど、腎疾患のリスクが高い猫種。
     

SDMA値が高い場合の対応

SDMA値が基準値を超えた場合、以下のような対応が取られます。

  1. 食事の見直し
    身体を整えるための「食事を検討」します。(※必ずしも腎臓病用の療法食が良いとは限りません)
     
  2. 追加検査
    血液(追加)検査、尿検査、超音波検査を追加して、身体の状態をさらに詳しく調べます。
     
  3. 治療計画の立案
    症状によって、腎臓病の進行を抑えるための、「輸液治療」や「薬物療法」を検討します。
     
  4. 定期モニタリング
    SDMA値を定期的に測定し、「病気の進行」や「治療効果」を確認します。

SDMA検査のメリットと限界

メリット

  • 腎臓病の早期発見が可能。
  • 筋肉量の影響を受けないため、正確な評価が可能。
  • 病気の進行度や治療効果のモニタリングに役立つ。
     

限界

SDMA値の上昇が、必ずしも「慢性腎臓病に直結しない」場合もあります。

SDMAの結果だけで判断せず、「他の検査と組み合わせる」必要があります。


まとめ

SDMA検査は、従来の検査では見逃されがちな、「腎機能の低下を早期に検出」できます。

腎臓病の進行を抑えるための、「早期治療が可能」になります。

高齢猫や、腎臓病のリスクが高い猫種を飼っている場合は、定期的にSDMA検査を受けることをお勧めします。

 

 

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