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猫の慢性腎臓病の診断~SDMA~
猫の慢性腎臓病(CKD)は、早期発見によって、病気と長く付き合っていく事が可能です。
SDMAは、慢性腎臓病の「早期発見に役立つマーカー」として利用されています。
SDMAとは?
SDMAは、身体の中で発生した代謝物で、腎臓を通って尿で排泄されます。
腎機能が低下すると、SDMAが「血液中に蓄積」します。
血液検査でSDMAの濃度を測定することで、腎臓の健康状態を確認できます。
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SDMA検査が注目される理由
1. 早期発見が可能
SDMAは、腎機能が「約25~40%低下」した段階で上昇します。
クレアチニンは腎機能が「約75%失われ」るまで異常値として現れません。
SDMAは、「早期の腎障害」を検出できます。
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2. 体格や筋肉量の影響を受けにくい
実は、クレアチニン値は、猫の「筋肉量の影響」で、数値が上・下します。
筋肉量が少ない猫(高齢猫、やせた猫)では、腎機能が落ちていても低い値が出ます。
SDMAは筋肉量の影響を受けにくく、「体格に関係なく正確な評価」が可能です。
3. 病気の進行度や治療効果のモニタリング
SDMAは、腎臓病の「進行状況」や「治療効果を評価」するための、指標としても利用されます。
SDMA検査の対象となる猫
以下の猫には特にSDMA検査が推奨されます。
- 高齢猫(7歳以上)
年齢とともに腎臓病のリスクが増えるため、定期的な健康診断での測定が推奨されます。
- 症状が見られる猫
多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状がある場合。
- 腎臓病リスクが高い猫種
ペルシャ猫や、エキゾチックショートヘアなど、腎疾患のリスクが高い猫種。
SDMA値が高い場合の対応
SDMA値が基準値を超えた場合、以下のような対応が取られます。
- 食事の見直し
身体を整えるための「食事を検討」します。(※必ずしも腎臓病用の療法食が良いとは限りません)
- 追加検査
血液(追加)検査、尿検査、超音波検査を追加して、身体の状態をさらに詳しく調べます。
- 治療計画の立案
症状によって、腎臓病の進行を抑えるための、「輸液治療」や「薬物療法」を検討します。
- 定期モニタリング
SDMA値を定期的に測定し、「病気の進行」や「治療効果」を確認します。
SDMA検査のメリットと限界
メリット
- 腎臓病の早期発見が可能。
- 筋肉量の影響を受けないため、正確な評価が可能。
- 病気の進行度や治療効果のモニタリングに役立つ。
限界
SDMA値の上昇が、必ずしも「慢性腎臓病に直結しない」場合もあります。
SDMAの結果だけで判断せず、「他の検査と組み合わせる」必要があります。
まとめ
SDMA検査は、従来の検査では見逃されがちな、「腎機能の低下を早期に検出」できます。
腎臓病の進行を抑えるための、「早期治療が可能」になります。
高齢猫や、腎臓病のリスクが高い猫種を飼っている場合は、定期的にSDMA検査を受けることをお勧めします。
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