ポイント
食欲不振が続くとどうなるの…?どうしたらいいの?
猫さんの、ご飯を食べる量が明らかに減ってきたと感じたら、すでに要注意です。
取るべき対策をご紹介します
猫の慢性腎臓病の症状~食欲不振~
猫の慢性腎臓病(CKD)の症状の中でも「食欲不振」は、飼い主さんが特に心配する症状です。
「お腹がすいたら食べるかな?」と、見て見ぬふりをすると、病気を悪化させる原因にもなります。
食欲不振とは?
食欲不振とは、猫が通常よりも食事を摂らなくなる、もしくは全く食べなくなる状態(この場合「食欲廃絶」と言います)です。
慢性腎臓病の猫では、病気の進行とともに、体内に「老廃物が蓄積」します。
この「老廃物の影響によって食欲不振」が起こります。
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慢性腎臓病が引き起こす食欲不振の原因
1. 老廃物の蓄積
血液中に蓄積された老廃物が、「胃腸に悪影響」を及ぼします。
「吐き気」や「胃もたれ」のような状態を引き起こし、食欲が低下します。
2. 嘔吐や吐き気
吐き気にとどまらず、実際に「頻繁な嘔吐」を伴うこともあります。
このような「不快感」は食事を避ける原因となります。
3. 口内炎や口腔トラブル
体内の老廃物は、口の中の粘膜にもダメージを与え、「口内炎や歯肉炎」が発生します。
食事中に「痛みを感じる」ため、食べることを嫌がるようになります。
4. 味覚の変化
腎臓病用の療法食は腎臓に優しいように調整されていますが、通常のフードと比べて味や香りが異なります。
猫さんが食べ慣れるまでに時間がかかることがあります。
5. 全身の倦怠感
腎臓病が進行すると、エネルギー不足や脱水による「倦怠感(だるさ)」が現れます。
猫さんが食事を摂る気力を失う場合があります。
食欲不振が続くとどうなる?
慢性腎臓病における食欲不振を放置してしまうと、以下のような深刻な影響が出る可能性があります。
- 体重減少と筋肉の消耗 栄養不足により体重が減少し、筋肉が著しく消耗します(フレイル)。これにより、さらに体力が低下します。
⇒5-ALAサプリ(エネアラなど)は、もともと燃焼系のサプリですが、「脂肪燃焼⇒筋肉がつく」、という好循環を生み出すのでは?と、注目されています。
- 免疫力の低下 十分な栄養を摂れないと免疫力が低下し、感染症など、他の病気にかかりやすくなります。
- ⇒獣医さんに「何でもいいから食べるものを…」と言われた時は?
- 腎臓へのさらなる負担 栄養不足が進むと、「体は筋肉を分解」します。腎臓にさらに負担をかけ、病気の進行が早まります。
食欲不振に気づいたら飼い主がすべきこと
猫さんに食欲不振の徴候が見られた場合、以下のような対策を講じましょう。
1. 動物病院での診察
食欲不振が続く場合は、まず動物病院で診察を受け、腎臓の状態や原因を確認します。
血液検査や尿検査によって、「腎臓病の進行度」や「他の問題がないか」を調べます。
2. 栄養学的ケアの導入
腎臓病用の療法食が理想ですが、「食べない療法食よりも、食べるものを」あげて、食欲を刺激する工夫も、時には必要です。
獣医師や動物病院スタッフのアドバイスを受けながら、「栄養素の摂取」を意識することがポイントです。
3. 食事の工夫
- フードを少し「温める」ことで香りを引き立て、食欲を刺激します。
- ウェットフードやスープタイプのフードで、「水分補給も兼ねる」。
- 食器の高さを調整し、猫が楽な姿勢で食べられるようにする。
4. 強制給餌の検討
どうしても食べない場合(2-3日以上)は、獣医師の指導のもとで「強制給餌」を行う場合もあります。
高カロリーのペースト状フードを、注射器で与える方法などがあります。
5. 食欲刺激薬の使用
ミルタザピンや、エルーラ(カプロモレリン)といった、食欲刺激薬の使用も、獣医師から提案されることがあります。
副作用の説明をしっかり受けた上で、使用も検討ください。
まとめ
食欲不振は、猫の慢性腎臓病の重要なサインの一つで、病気の進行度や健康状態を大きく左右します。
飼い主さんが早期に気づき、適切に対処することで、愛猫の生活の質を維持し、病気の進行を遅らせることができます。