ポイント
「猫さんの食欲がない」というのは病院受診理由No.1かもしれない…。
老齢期の猫さんの食欲が落ちた時に、食欲を刺激する薬を処方される事があります。
ペリアクチンとミルタザピンを比較してみました。
ペリアクチン(シプロヘプタジン)
ペリアクチンは商品名で、薬品名はシプロヘプタジンという薬品です。
人体薬で、錠剤、シロップ、散剤(粉薬)が流通されています。
1-2mgを1日1-2回投与というのが一般的な使われ方です。
4mg錠剤でしたら1/4錠です。
食欲が落ちている子への投薬なので、錠剤が難しい場合もありますが、シロップを投与する場合は2.5mlとなり量が多めです。
【作用・特徴】
本来はアレルギー性疾患(じんましんや皮膚炎など)の治療薬です。
食欲が亢進するという副作用を逆手に取って、食欲の維持を狙っています。
もともと"副"作用を利用していますので、食欲亢進作用があまり出ない子もいます。
ミルタザピン(レメロン)
ミルタザピンは薬品名で、レメロンという商品名で錠剤が流通されています。
【作用・特徴】
本来は、ノルアドレナリン・セロトニン作動性の抗うつ剤で、精神疾患時に処方されるお薬です。
ノルアドレナリンやセロトニンというホルモンは、ストレスや精神状態に深く関わっています。
例えばストレス(負荷)やイライラが溜まった時に、"暴飲暴食"をする事はありませんか?
ノルアドレナリンやセロトニンが作用すると、食欲の亢進が生じるという作用を利用した方法です。
日本では錠剤のみが流通しています。
海外では注射薬や外用薬(軟膏)もあるようです。
腎疾患を抱えている子の場合は、2日に1回(もしくはそれ以下の頻度)に減らします。
薬を使って食欲を上向かせる方法
猫さんが食べ物を全く食べてくれないのは、周りからみていて、とても辛く、見ていられない状態です
食欲の改善に薬を使う場合には、"ただ食欲を起こさせる"薬に頼りがちですが、
食欲を低下させている要因を取り除く、という発想も役立つ場合があります。