概要
猫さんは歳を重ねるにつれて、少しずつ腎臓の機能が落ちていきます。
軽い症状が始まる年齢は様々です。
IDEXX社のSDMA測定が、早期発見マーカーとして多用されていますが、
お家で腎臓の状態をチェックできないか?という要望もあります。
そこで、猫さんを病院に連れて行かなくても、お家で安価でできる腎臓病検診方法を3つお伝えします。
高齢猫が慢性腎臓病になって起こること
猫さんは慢性腎臓病になると、ゆっくり体重が減少します。
慢性腎臓病になった猫さんが、どんどん体重が増える事はまずありません。
早期発見のためにお家で出来ることその1
1.体重測定
お家に人間用の体重計があれば、抱っこして一緒に体重計に乗って、
自分の体重を差し引くと、猫さんの体重が測定できます。
「○.○kgが良い」という訳ではなく、体重の変化(割合)を把握することが重要です。
体重の減少が
5%までなら→要観察(2~4週間)
5~10%なら→対応必要
10%を超える減少→深刻!
例えば・・・いつも4kgの猫さんが
3.9kg・・・100g減少=2.5%減少
3.8kg・・・200g減少=5%減少
3.7kg・・・300g減少=7.5%減少
3.6kg・・・400g減少=10%減少
となります。
いつもの体重を知っておくことは重要で、
病院を受診された場合も、
1ヶ月で300g減った、2年で2kg減ったなど、
変化が分かるととても役立ちます。
尿量・飲水量が増える
腎臓という臓器は、機能が落ちても、平気な顔をして頑張ってくれます。
具体的には、尿の量が増えます。
おしっこの量が増えると、身体が脱水するので、
のどが渇き、よくお水を飲むようになります。
急に始まるのではなくて、気づいたら
- なんだか最近いつも水を飲んでるなぁ
- いつまでもお水を飲んでるなぁ
- 猫砂の消費量が多くなったなぁ
といった状況の場合が多いです。
早期発見のためにお家で出来ることその2
2.一日の飲水量を記録しておく
目盛り付きの器で1日の飲水量を知っておくと、慢性腎臓病の早期発見に役立ちます。
多いかな?と思った時に普段の飲水量を知っておくと、違いに早く気付けると思います。
体重測定や排尿を確認など、お家で日常の記録をつけられる方法もありますので、検討されてみてはいかがでしょうか?
体重や排泄情報をかんたん記録
3.おしっこのチェック(量・性質)
尿の量と、尿比重は、慢性腎臓病のチェックの大きな手がかりになります。
尿の量は、
- 猫砂の消費量 (買う頻度が多くなった)
- 以前の1週間分が4~5日で出ている
といった「気づき」で、尿量の増加を見つけることができます。
尿比重の測定は、液体の状態で採尿する必要があります。
尿を動物病院へ持って来ていただくか、
少々値が張りますが。
尿比重計という道具が市販されています。
アタゴ製尿比重計は👉コチラ
(補足) むやみにやらない方がいい事
猫さんが歳を重ねていくと、
腎臓病になるかもしれない、
昔飼っていた猫も腎臓病になった…
などの理由から、
予防のために腎臓病の療法食を与えようと、
お思いになる方もいらっしゃるのですが、
腎機能が落ちていない場合、療法食はデメリットになります。
療法食は総合栄養食ではありません
療法食は、栄養素の一部を制限したり、バランスに手を加えています。
健康な猫に療法食を与え続ける事で、健康を損ねることがあります。
かかりつけの動物病院スタッフと相談しながら使ってください。
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