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【ALP,PHOS,ALT】不妊手術時の麻酔前血液検査

2023年9月7日

 

 

 

麻酔前の血液検査は、

全身麻酔の際に影響が考えられる、肝臓や腎臓の機能に問題がないか

あらかじめ把握しておくことを目的に行います。

 

不妊手術の麻酔前検査の場合、

問題がない事を確認する、というケースが多いのですが、

”基準値”から外れた結果が出る場合が多々あります。

 

よくあるケース3つについて解説します。

ALPの高値

ALP(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の高値

成長期の動物でよくみられるケースです。

ALPは、骨の成長の影響を受ける数値です。

 

そのため、成長期の段階では、

200U/L程度まで上昇しているケースも珍しくありません。

 

他の項目に異常が見られないことからも、

病的な高値とは考えにくい場合がほとんどです。

 

PHOSの高値

PHOS(リン)の高値

こちらも、成長期の動物でよくみられるケースです。

高齢動物で慢性腎臓病を患っている場合、

リンは5mg/dL以下に抑えたいものですが、

リンも、骨が成長の影響を受ける数値です。

 

成長期の段階では、何か症状が無い場合、

病的な高値とは考えにくい場合がほとんどです。

 

ALP、PHOSどちらも高値

成長期の段階では、

ALP、PHOSの両方が高値になることも珍しくありません。

 

とんでもない数値、他の項目に異常がない、症状が無い場合は、

病的な高値とは考えにくい場合がほとんどです。

 

ALTの高値

 

ALTのやや高値(200U/L以下)が見られた場合、

ALTは肝臓に何らかの刺激や衝撃が加わった場合、高値になります。 

 

肝機能の数値…ALB,BUN,GLUに異常がない場合、何らかの症状が無い場合は、

発情の影響も考えられます。

発情に関わるホルモンは、肝臓を刺激してALTの上昇を促します

肝機能が問題なければ、全身麻酔に関しては問題なく実施可能な場合が多いです。

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