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計算方法が知りたい
- 皮下点滴した後、いつも呼吸が早く息苦しそう
- ネット上にある情報が多過ぎて、合ってるのかどうか分からない
- お家での皮下点滴で副作用が起こってしまうという後悔はしたくない
通院のストレス、医療費の軽減、飼い主さんの治療参加など、
メリットも多い在宅での皮下点滴ですが、
良かれと思ってやっていた皮下点滴が原因で、
副作用が起こってしまうという事は、絶対に避けたいものです。
この記事では、皮下点滴による副作用の、予防・対処法のポイントをまとめました。
過度に心配するのも良くないですが、
そんなこと知らなかったと、ならないために、
ご一読ください。

起こりえる副作用を知っておくことが、早めの対応につながるよ。
肺水腫
原因は、輸液量が多すぎること。
1回の量や、1日の回数を再検討する必要があります。
皮下点滴によって生じる副作用で一番多いものが肺水腫です。
過剰な点滴によって血流量が多くなり、心臓に負担がかかると、
余分な水分が肺に溜まります。
《補足》胸水と肺水腫は似ていますが、状況が全く違います。
胸水:胸腔という胸のスペースに水が溜まった状態 (針を刺して水を抜くことが可能)
肺水腫:肺はスポンジのような臓器で、水分を吸ってしまっている状態です。
水分は針を刺して抜くことは出来ないので、利尿剤を投与して水を排泄させる必要があります。
観察・予防ポイント
- 呼吸数が普段に比べて早くないか?(1分間に40回以上の呼吸数は危険)
- 口を開けて呼吸(開口呼吸)する場合は危険
- 普段(寝ているとき)の呼吸数を、数えておきましょう
- 点滴後の呼吸数が多い状態が続くようなら、
- かかりつけの獣医師と、1回の輸液量と補液の頻度を相談しましょう

高血圧
副作用で肺水腫に次いで多いのが、高血圧です。
慢性腎臓病の猫さんの20%は、高血圧を併発していると言われます。
高血圧の悪化要因として体液量(循環血液量)の増加や、血管へのダメージがあります。
皮下点滴量が多すぎると、高血圧が悪化することがあります。
観察・予防ポイント
- 定期的な血圧測定
- 夜鳴きの頻度(高血圧による頭痛)
- 食欲のムラ
- 瞳孔の開きぐあい
- 甲状腺機能亢進症の併発の有無を、一度はチェック
病院で行う血圧測定は、
他の動物の声がしたり、違う環境というストレスで、
うまく測定できない場合が多いです。
家庭用の犬猫用血圧計も市販されています。
ERDEのロゴが入っていない”模造品”が、時々、出品されていますのでご注意を。
お値段がそこそこしますので、
一般の方向けになかなか積極的にお奨めしづらい部分もありますが、
ちゃんと測れるかどうか??というと、意外にちゃんと測れます☆
貧血
貧血は、猫の慢性腎臓病で比較的多い合併症の一つです。
皮下点滴をしていると、血液が薄まって貧血が悪化するという意見もあります。
脱水が改善されても貧血が継続する場合には、
造血剤などのアプロローチが必要になるかもしれません。
観察・予防ポイント
- 猫は貧血がかなり進行するまで、ふらつきなどの症状が出ない
- 予防的に、鉄やビタミンB群を補給することもある
ヘモテクトは粒状のサプリメント。
鉄剤のサプリは、独特の味がするものが多いですが、
フィルムコーティングで鉄の味を感じさせません。
ペットチニックは、とろみのついた液状。
ウエットフードや、ちゅーるに混ぜ合わせたりして与えやすいです。
ちょっと、独特の鉄のにおいを感じるかもしれません。
テツメイトは
- 猫さんにあげやすい顆粒タイプ
- 無味無臭 (鉄臭さ無し!!)
- 便秘予防のオリゴ糖配合
ゼノアック製品(フロントラインなど)を扱っている動物病院で取り寄せられます。
水中毒
慢性腎臓病の猫の在宅皮下点滴の場合、
ほとんどの場合が、乳酸リンゲル(商品名:ソルラクトなど)を使用します。
点滴液の種類についてはこちらを👇
★点滴液を知ろう★ 生理食塩水・リンゲル・乳酸リンゲル~保存方法・使用期限は?~
血液中のナトリウム濃度が低い状態が続くと、"水中毒"という状態になります。
嘔吐が増えたり、重度の場合けいれん発作が起きることもあります。

腎臓病のような、全身の体液に関わる病気では、血液検査の電解質にも注意が必要です。

皮下気腫
めったに起こることがない副作用ですが、
点滴ラインに大量の空気が混ざった場合、
皮下の組織に空間ができてしまう事があります。
膿瘍(のうよう)
膿瘍も、めったに起きる副作用ではありません。
皮下で細菌が増えてしまい、"膿み"の袋を作ってしまう病態です。

使い捨ての針を再利用したりしなければ、針からの感染はまずありません。
