★点滴液を知ろう★ 生理食塩水・リンゲル・乳酸リンゲル~保存方法・使用期限は?~

医薬品情報

お家で皮下点滴をすることになった猫の飼い主さん。

TwitterやSNSを見たら、病院で教えられた方法と違っていたり、

点滴の色が違っていたり、使っている液体の名前が違っていたり・・・。

あれ?これで合ってるのかな?なんでこうなんだろうな?

と思った時に、活用してもらえる記事になっています。

 

【アンケート】点滴液は何が処方されていますか?

Twitterで、点滴液についてアンケートをとってみました。

圧倒的に、乳酸リンゲルですね。

乳酸リンゲルは薬品名で、商品名で言うと、

ソルラクトとか、ラクテック、ラクトリンゲル、ハルゼンなどがあります。

※中身はほぼ一緒です。

生理食塩水から解説した方が分かりやすいと思いますので、

順番に解説していきます。

生理食塩水

生理食塩水 500ml(テルモ)

体の体液と同じ濃度(0.9%)の食塩水を生理食塩水と呼びます。

体液と塩分濃度が違うと、水分の移動が起こり(浸透圧といいます)、

体液の流れに影響がでます。

生理食塩水は点滴以外にも、傷口の洗浄や手術時の組織の保護、

洗眼、尿道・膀胱内洗浄など、体内で安心して使える水分です。

 

生理食塩水が点滴で使用されるのは、どんな病気の時?

糖尿病が悪化した際の昏睡や、高カルシウム血症の際には、生理食塩水を使用します。

慢性腎臓病の猫さんでの在宅皮下点滴で、生理食塩水が処方される場合は、

併発症など、何らかの理由があると思われます。

 

リンゲル液

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リンゲル液 500ml(大塚)

生理食塩水は、単に体液と同じ濃度の食塩水。

リンゲル液は、生理食塩水にカリウム(K)カルシウム(Ca)を加え、

より体液に近い成分に近づけた点滴液です。

リンゲル液と乳酸リンゲル、酢酸リンゲルはどう違うの?

腎臓病の猫さんの体液は、“酸性”に変化します。(アシドーシスといいます)

「乳酸」や「酢酸」を混ぜると余計に”酸”性になりそうですが、

身体の中で乳酸や酢酸が分解されて、体液がアルカリ側に変化します。

体液のpHは7.4の状態が、一番機能が安定しています。

アルカリ側になっても、酸性側になっても、身体の機能に異常が生じます。

 

乳酸リンゲル

ソルラクト500ml(テルモ)

リンゲル液に、乳酸が混ざっているものが乳酸リンゲル

製品名では、ソルラクト、ハルトマン液、ラクテック

といった表記です。

 

なんで乳酸が混ざってるの?

腎臓病の猫さんの体液は、“酸性”に変化します。

「乳酸」を混ぜると余計に”酸”性になりそうですが、

身体の中で乳酸が分解されて、体液がアルカリ側に変化します。

 

うちの子の点滴液は乳酸リンゲルじゃないんだけど大丈夫?

乳酸リンゲルは、慢性腎臓病の猫さんの皮下点滴の第一選択ですが、

肝臓に負担をかけたくない場合や、

腫瘍を抱えている場合(※腫瘍細胞は乳酸を栄養源にしやすい)などに、

リンゲル液酢酸リンゲルを使用する場合があります。

 

酢酸リンゲル

ソルアセト 500ml(テルモ)

リンゲル液に、酢酸が混ざっているものが酢酸リンゲル。

製品名では、ソルアセト、フィジオといった表記です。

 

なぜ酢酸が混ざってるの?

腎臓病の猫さんの体液は、“酸性”に変化します。

「酢酸」を混ぜると余計に”酸”性になりそうですが、

身体の中で酢酸が分解されて、体液がアルカリ側に変化します。

 

よその子の点滴液は乳酸リンゲルみたいだけどなんで?

乳酸リンゲルは、慢性腎臓病の猫さんの皮下点滴の第一選択です。

乳酸は肝臓で分解・代謝されるのですが、酢酸は肝臓と全身の筋肉でも分解されます。

肝臓に負担をかけたくない場合や、

腫瘍を抱えている場合(腫瘍細胞は乳酸を栄養源にしやすい)などに、

酢酸リンゲルを使用する場合があります。

 

 

保存方法・温めた方が良い?使用期限はどれくらい?

  • 輸液剤の使用は開封後1週間以内が目安
  • 冷蔵庫で保管する方が無難だが、2~3日であれば、室温保存でも可
  • ブドウ糖が混和されている輸液剤は腐敗しやすい
  • 輸液する際は、常温~38℃くらいの温度にする

 

皮下点滴液の保存方法

1回の点滴量は70~150mlくらい。

輸液頻度にもよりますが、1週間以内に使いきれると思います。

シールが貼ってあれば未開封

無菌操作がしっかりできていれば、

輸液バッグ内で細菌が激しく増殖することはありません。

※抗生物質が混和されているかどうかでの違いはあまりありません。

室温(約20℃)での保存が難しい夏場は、

冷蔵庫での保存が無難だと思います。

 

レバチオニンなど複合ビタミンが混和されている場合

ビタミンB群製剤(例:レバチオニンなど)があらかじめ混和されていて、

黄色い輸液剤を処方されている場合は、

輸液剤の中に、ブドウ糖が含まれているため、細菌が増殖しやすい環境になっています。

また、ビタミンB群は光が当たっていると効果がなくなってしまいますので、

冷蔵庫のような冷暗所で保存する方が望ましいです。

投与前に輸液剤を温める

輸液剤を使用するときは、常温~38℃くらいに温めてください。

バッグをぬるま湯につけるか、室温に20~30分ほど置いて下さい。

電子レンジを使用する際は、10~20秒ごとに撹拌して、確認しながら温めてください。

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