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【症例情報】メス猫の避妊手術で偶発的に見つかった副卵巣

2023年8月31日

ご注意ください

本記事内には、手術時の画像が含まれますので、

血液・臓器などの画像が苦手な方は、

TOPページにお回りください。

避妊手術をしたメス猫が発情する

通常、卵巣は左右2つ、子宮はY字型に左右に分かれています

 

避妊手術には、

  • 子宮と卵巣を摘出する方法
  • 卵巣だけ摘出する方法

の2通りの方法があります。

 

発情は、左右2つの卵巣が摘出できていれば起こりませんが、

年に数頭、3つ目の卵巣…副卵巣を持っている猫と出逢います。

 

正確なデータではありませんが、

200~300頭に1頭くらいの確率で出逢います。

 

副卵巣の位置が、卵巣のすぐ近くの場合に、

偶然、見つかる場合もありますが、

成長後の内臓脂肪が多かったりすると、

見つからないこともあると思います。

 

手術時、卵巣はこのように見えます

 

内臓脂肪などの"邪魔"が無い場合、

周囲の様子がわかりやすいため、

副卵巣があった場合、見つけることができます。

卵管の組織に隠れていた副卵巣

 

結果的に3つの卵巣組織が存在

 

別の副卵巣を見つけた症例

 

副卵巣の存在自体は、そんなに珍しいものでは無いと感じています。

 

残存した副卵巣による発情

副卵巣が発見されず、体内に残った場合、

子宮が摘出されていれば、妊娠の可能性はありませんが、

発情徴候は起こる可能性があります。

 

通常、手術前に卵巣の数や状態を確認してから避妊手術、

というケースはあまりないと思います。

 

偶然に副卵巣を見つける事が多いのは、

  • 内臓脂肪の少ない若い猫
  • しっかりと視野を広く取った切開

の場合が多いです。

 

生後5か月前後、体重が2kgくらいの猫の場合に、見つかる場合が多いです。

また、傷の小ささを追求する、視野の狭い切開だと見つけにくいと思います。

 

 

必要以上は切開しませんが、充分な視野を取ることは、

手術の安全上も重要です。

 

 

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