広告 不妊手術

【考察】耳カット済みの猫が妊娠?(卵巣摘出 vs 卵巣子宮摘出)

2021年2月3日

 

概要

(※記事中に手術時の写真があります。)

外ネコの不妊手術で、あっては困るのが「手術した(してあるはずな)のに妊娠した」というケース。

手術をお願いした病院にもう一度連れていくのが行きづらいとの事で、そういったケースに遭遇しました。

手術痕もあったので、子宮を残す方法で手術されて、卵巣が残っていたために妊娠したのだと思います。

ミスのようにも見えますが、子宮を残す手術の場合、どの動物病院でも起こりえる事なので、原因について、考察したいと思います。

 

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不妊手術には、卵巣だけ取る方法と、卵巣・子宮両方取る方法があります。

それぞれ、長所・短所があるので、どちらが良いというのは一概には言えません

※ 私は、子宮と卵巣両方取りますが、単に「その方が慣れてるから」というのが理由です。
 
メス猫の避妊手術では、卵巣を確実に摘出する必要があります。

卵巣は、白っぽい臓器で、比較的見えやすい臓器です。
左右1対、2つあります。

 

時々、下の写真のような事があり、悩みます。

本来の卵巣の他に、同じ色をした小さい臓器が見えます。

可能性としては、

  • 副卵巣
    (本来の卵巣と別に卵巣が存在)
  • 副副腎
    (本来の副腎と別に副腎が存在)

の2通りが考えられます。
 
副腎は本来、腎臓の近くにある臓器で、避妊手術の時には見かけません。

副腎も卵巣に似た白っぽい臓器なので、見た目で見分けることは出来ません。

副腎は、アドレナリンという身体の機能を維持するホルモンを作る臓器なので、"副"副腎であれば体内に残しておきたいです。

でも、この臓器が卵巣だった場合は、子宮を摘出しておかないと、妊娠の可能性を残してしまいます

子宮を残さない方法での手術の場合、副卵巣があったとしても、妊娠の可能性は無くなるので、特に外ネコの避妊手術の場合は、子宮も摘出する方が無難だと思います。
 
写真のこの臓器は、研究用に病理組織検査をして頂いたところ、「異所性副腎」という結果でした。 

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