猫の慢性腎臓病(CKD)は、多くの高齢猫が直面する深刻な病気です。
その原因の一つとして「感染症(細菌・ウイルス)」が挙げられます。
感染症は、腎臓や尿路に長期的なダメージを与える可能性があります。
感染症が腎臓に与える影響
猫の腎臓や尿路の感染症によって炎症が起こり、組織が損傷を受けます。
感染症が慢性的に続くと、腎臓の機能が徐々に低下し、
やがて慢性腎臓病へと進行します。
主な感染症の例
- 尿路感染症(UTI)
細菌が尿路や膀胱に感染し、尿の逆流を通じて腎臓まで広がります。
特に免疫力が低下している高齢猫では、このリスクが高まります。
- 腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓自体に感染が広がる病気で、腎臓が直接ダメージを受けます。
症状として発熱や食欲不振、脱水などが現れる場合があります。
- ウイルス感染症
猫伝染性腹膜炎(FIP)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などは、
腎臓を含む多臓器に影響を及ぼします。
▶ 猫の慢性腎臓病 ~症状~
感染症が原因の腎臓病を予防・管理する方法
1. 定期的な健康診断
感染症は初期段階では症状が目立ちません。
若い時期から、尿検査を定期的に受けることで早期発見が可能になります。
2. 清潔なトイレ環境
トイレを清潔に保つことで、尿路感染症のリスクを軽減できます。
特に多頭飼いの場合はトイレの数を増やし、ストレスを減らす工夫が必要です。
3. 水分摂取の促進
十分な水分摂取は尿路感染症の予防に効果的です。
猫が自然に水を飲む量が少ない場合は、ウェットフードを与えたり、
自動給水器を使って流れる水を提供するなどの工夫をしましょう。
猫の慢性腎臓病の原因として感染症は見逃せない要素です。
特に高齢猫では免疫力の低下や他の疾患が関与し、感染症が慢性化するリスクが高まります。
早期発見と予防で、感染症による腎臓病の進行スピードを抑えることが可能です。