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猫の必須アミノ酸は10種。不足すると?サプリで補うべき??獣医師が要点だけピンポイント解説!

2023年3月20日

猫の必須アミノ酸(10種類)

  

概要

身体を作る栄養素の中には、食べ物から補う必要がある"必須アミノ酸"があります。

猫は10種類が必須アミノ酸です。

身体でどのような働きをしているか、不足するとどんな影響が出るか、要点だけ簡単にまとめました。

【参考論文サイト】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=Cats+Essential+amino+acids 

   

1.アルギニン

アルギニンは、尿毒症の原因となるアンモニアを尿素に変化させる(肝臓の仕事)際に必要です。
 
特に猫では、アルギニンが不足するとアンモニアから尿素を合成できず、高アンモニア血症を起こして危険な状態になる場合があります。

 

 

  • アルギニンは、アミノ酸の一種であり、猫にとって必要不可欠な栄養素の一つです。腎臓や免疫系、神経系の健康を維持するのに重要な役割を果たしています。
  • 慢性腎臓病を抱える猫の場合、腎臓の機能が低下しているため、アルギニンの代謝が低下してしまい、血液中のアルギニン濃度が低くなることがあります。
  • アルギニンの補充は、猫の免疫力や体内の老廃物を排出する機能をサポートします
  • アルギニンは、猫の筋肉量の維持をサポートします。

【参考文献】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7315956/

 

2.リジン

アミノ酸同士は、つながってタンパク質の材料になります。

リジンは全てのタンパク質の合成の際に必要になるので、不足すると身体のパーツ1つ1つを作ることができなくなります。(成長不良、傷口の治りが悪くなる…など)

ヘルペスウイルスの増殖を抑える効果については、議論が分かれています。

 

 

3.メチオニン

主に被毛や爪を作る材料として必要なアミノ酸です。

皮膚は最大面積の臓器とも言われ、被毛は体を守るバリアとして重要です。

不足すると、被毛が弱くパサつき、抜け毛が増える要因になり、皮膚を守る働きを妨げてしまいます。

メチオニンは、体内で利用されると酸性に変化するので、尿石症(ストラバイト)ケアのサプリとしても利用されます。 

 

 

4.スレオニン

細胞の生まれ変わり(新陳代謝)の際に必要なアミノ酸です。

胃酸の分泌を調整する働きがあるので、不足すると食欲不振(拒食)が生じます。

肝リピドーシスなど、何か口から摂取させないといけない場合に、スレオニンの補給が同時にできるとケアに役立ちます。

 

5.トリプトファン

セロトニンという神経伝達物質の材料で、脳や神経の動きに関わるアミノ酸です。ストレス軽減系のサプリ・フードに添加される場合もあります。

不足すると、脳・神経系の障害を引き起こします。

 

6.ヒスチジン

ビタミンB群と協力して皮膚や粘膜の修復に関わります。セラミドなど体の表面のバリア機能に関わるアミノ酸です。

長期的な欠乏症として、猫では白内障が挙げられます。 

 

7.バリン・ロイシン・イソロイシン(BCAA)

この3つは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれ、セットで考えられることが多いです。

タンパク質の合成を促進することで、肝臓の働きをサポートします。

エネルギー源として使われやすいアミノ酸なので、栄養が足りない時に、エネルギーを作るために筋肉を分解することを遅らせることができます。

 

 

 

8.フェニルアラニン

甲状腺ホルモンの材料となります。

フェニルアラニンから作られたチロシンは、ドーパミンやアドレナリンの材料で、脳・神経の働きに関わります。

不足すると、脳・神経系の障害を引き起こします。また、毛や瞳の色素にもチロシンが関わっています。

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