この本は一言で言うと・・・
「脳内物質を学んで活用することで、仕事の効率を最大化して幸福な人生を送る方法を学べる指南書」です。
樺沢紫苑先生の「脳を最適化すれば能力は2倍になる」は、脳内物質によって生じる感情と仕事の関係を科学的に解明しています。
知識として理解できると、仕事や日常生活で活かせる有用な内容です。
感謝の気持ちや幸福物質の重要性を再認識する方法を具体的に示してくれています。
手に取ったきっかけ
精神科医で作家の樺沢紫苑先生のファンという点が、この本を手に取った理由の一つですが、
私も48歳になり、あまりカリカリすることなく、穏やかに仕事をしたいと日頃から感じていました。
身の周りのSNSを眺めると、批判的なネガティブ投稿が多いものですが、
それらを効率よくスルーし、自分に求められている仕事をそつなくこなしたいという思いがありました。
仕事術の書籍は、自己研鑽によって他人からの評価を上げることがフォーカスされがちですが、
樺沢先生の著書は自分軸で何をするか、どうするかが中心であり、理解しやすく実践もしやすいのです。
感謝は最高の成功法則
結局のところ、仕事でも、プライベートでも、上手く行くためには『感謝』という意識に集約されます。
嫌々仕事をするのではなく、楽しくやりがいを持って取り組むことが重要だということです。
楽しく、やりがいがあるといった感情は抽象的なものではなく、脳内の神経伝達物質によって科学的に説明できると教えてくれます。
人に感謝することや人から感謝されることを意識し、仕事においてその意識を忘れないようにしたいと考えています。
本の中では、「人間の感情は脳内物質によってつくられている」ことが強調されています。
感情は神経伝達物質による刺激の伝達であり、仕事の成功には感情の変化が重要であるということです。
神経伝達物質のコントロールによって仕事の成功は引き寄せることが可能。
幸福物質を利用してモチベーションを上げることが可能、という好循環になります。
動物に触ることでも・・・
この本の中に、仕事柄、興味深い内容がありました。
「犬を『さわる』『なでる』といった親密な触れ合い行動によって、人と犬との両方で血中のエンドルフィン濃度が上昇する」というものです。
人間側だけでなく、犬のエンドルフィン(幸福感をもたらすホルモン)濃度も上昇するという点が非常に興味深く、
獣医師として動物と触れ合う仕事の価値を再認識させてくれました。
情報のインプット・アウトプットの環境
"アイデアが浮かびやすい場所は4つある"
こういう「あー、そうだよね」という情報が多いのも、樺沢紫苑先生の著書の面白い要素です。
アイデアが浮かびやすい『創造性の4B』とは・・・バー、お風呂、(乗り物の)バス、ベッド。
4つとも、頭文字はBですね。
私自身も学生時代は、周遊券で丸1日電車に乗りながら試験勉強をした経験があり、
家の机に向かって勉強するよりも記憶に残りやすかったことを思い出しました。
個人的には、5つ目のBとして本屋さん(bookstore)を加えたいと思います。
能力を2倍に・・・
能力を2倍にする本というと、ちょっと胡散臭い印象を受けるかもしれませんが、
今まで"こっち向き"しか考えなかった生活に、"あっち向き"も考えるだけ、そんなきっかけにしてくれる本なのです。
たとえば、何か販売する仕事の場合。
商品には「快」を与える商品と「不快」を避ける商品があります。
私は動物病院の臨床獣医師として不快を避ける、改善する仕事が多く、日ごろの意識もいかに不快を改善するかを考えることが多いです。
ここに、「快」を与える仕事を意識すれば、仕事の幅が2倍に広がると感じました。
病気にならないように予防する仕事の意識を高めることによって、
より多くのペットとその飼い主に貢献できる可能性があるのでは?という気づきにつながります。
ホルモンなどの化学物質のカタカナが多めで、理系向けの本のように見えますが、例えなどが具体的でわかりやすく、
文章を読んでいるのに、頭の中で絵が浮かぶ、そんな読みやすい1冊でした。
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