広告 原因 猫の慢性腎臓病

9猫の慢性腎臓病の原因~尿路閉塞~

 

 

 

 

猫の慢性腎臓病の原因~尿路閉塞~

猫の慢性腎臓病(CKD)の原因には、さまざまな要素が関与しています。

「尿路閉塞」は、腎臓に大きな負担をかけ、慢性腎臓病の発症や進行につながる重要な原因です。
 


尿路閉塞とは?

尿路閉塞とは、尿の通り道である尿道や尿管が詰まり、「尿が適切に排出されない状態」を指します。

この状態が続くと、尿が腎臓に逆流し、腎臓に過剰な圧力がかかり、ダメージを受けます。

尿が排出されないと体内に毒素が溜まり、急性腎不全を引き起こし、最悪の場合命に関わることもあります。

 


尿路閉塞の原因

尿路閉塞には、以下のような原因が考えられます。

1. 尿路結石

尿路に結石(尿中のミネラルが結晶化したもの)ができると、尿道や尿管が詰まる原因となります。

特にオス猫は尿道が狭いため、結石による閉塞が発生しやすいです。

2. 尿道栓子

粘液や細菌などが混ざり合ってできた「栓子」が尿道に詰まり、尿の流れが遮断されることがあります。

3. 腫瘍や炎症

膀胱や尿道に腫瘍ができたり、慢性的な(くり返し起きた)炎症が、尿路を細くしてしまい、閉塞が起きる場合があります。

 


尿路閉塞が腎臓に与える影響

尿路閉塞が腎臓に与える影響は重大で、以下のような問題が生じます。

1. 尿の逆流による腎臓の損傷

尿が腎臓に逆流することで、腎臓に圧力がかかります。

この状態が続くと、腎臓が損傷し、機能低下が生じ、慢性腎臓病へと進行する可能性があります。

2. 尿毒症

尿が排出されないと、体内に本来排泄されるはずの毒素が蓄積します。

これを尿毒症と呼び、腎臓だけでなく全身の臓器に悪影響を及ぼします。

3. 感染症のリスク

尿が正常に排出されない環境では、細菌が繁殖しやすく、「腎盂腎炎」という感染症を引き起こすことがあります。

感染症も腎臓病の進行を助長します。


尿路閉塞の症状

尿路閉塞は早期発見が重要です。

以下のような症状が見られた場合は、速やかに動物病院を受診してください。

  • 頻繁にトイレに行くが、尿が出ない
  • 排尿時に痛みを伴う(鳴く、震える)
  • 陰部やお腹をしきりに舐める
  • 元気がなくなる
  • 嘔吐や食欲不振
  • 歩行困難や麻痺(重症の場合)

尿路閉塞を予防する方法

尿路閉塞は適切なケアによって予防可能です。

以下のポイントを参考に、愛猫の健康管理を行いましょう。

1. 水分摂取を増やす

水分摂取量が少ないと尿が濃縮され、結石や結晶ができやすくなります。

自動給水器を活用したり、ウェットフードを与えることで、水分摂取量を増やす工夫をしましょう。

2. 尿路ケア用フードの活用

尿路ケア用のキャットフードは、ミネラルバランスを調整し、尿結石や尿路閉塞を予防する効果があります。

尿路疾患に配慮した「総合栄養食」、あるいは、治療に使用する「療法食」。

どちらを使用するかは、獣医師や動物病院スタッフに相談して、適切なフードを選びましょう。

3. トイレ環境の整備

猫がストレスなく排尿できるよう、トイレを清潔に保ち、適切な数のトイレを用意しましょう。

猫の数プラス1個のトイレを用意するようにしてください。

4. 定期的な健康診断

特に尿路結石や尿路閉塞の「既往歴」がある猫では、「定期的な尿検査」や超音波検査を受けることで再発リスクを軽減できます。


尿路閉塞が疑われた場合の対応

尿路閉塞は放置すると命に関わる緊急性の高い疾患です。以下の手順で速やかに対応してください。

  1. 動物病院へ直行 尿が出ない状態が続くと、急性腎不全や尿毒症が進行するため、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
  2. 自己判断で処置をしない 家庭で尿を排出(お腹を圧迫するなど)させようとする試みは危険です。獣医師に任せることが大切です。
  3. 普段の様子を伝える 症状の経過や食事内容、飲水量などを獣医師に伝えることで、診断や治療がスムーズに進みます。

まとめ

尿路閉塞は、猫の慢性腎臓病の原因として見逃せない要因の一つです。

特に雄猫や結石ができやすい体質の猫では、日常のケアや早期発見が重要です。

水分摂取を増やす工夫や定期的な健康診断を通じて、尿路閉塞を予防し、愛猫の腎臓を守りましょう。

 

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