広告 日常のケア 猫の慢性腎臓病

67猫の慢性腎臓病の日常ケア~水分摂取の促進~

2024年12月20日

 

 

 

 

猫の慢性腎臓病の生活ケア~水分摂取の促進~

猫の慢性腎臓病(CKD)の管理において、水分摂取の促進は非常に重要です。

腎臓は体内の老廃物や余分な水分を尿として排出する役割を担っています。

腎機能が低下するとこの働きが不十分になります。

その結果、猫は、尿量が増え脱水状態になりやすくなります。

適切な水分補給を維持することで腎臓への負担を軽減し、病気の進行を抑える効果が期待できます。


なぜ水分摂取が重要なのか?

1. 脱水の防止

慢性腎臓病の猫は多尿になりやすく、体内の水分が失われやすい状態です。

脱水状態が続くと腎臓への血流量が低下し、腎臓病の進行を早めます。

2. 尿毒素の排出

水分を十分に摂取することで尿量が増え、体内に蓄積した尿毒素や老廃物が効率よく排出されます。

3. 全身の健康維持

水分不足は便秘や血液の濃縮(ドロドロ血)など、腎臓以外の健康問題も引き起こします。

十分な水分を摂取することでこれらのリスクを低減できます。


猫の水分摂取量の目安

健康な猫の1日の水分摂取量は、体重1kgあたり約50~60mlとされています。

<注>※食べ物に含まれる水分も含む

例えば、体重4kgの猫であれば1日200~240mlが目安です。

慢性腎臓病の猫では、これ以上の摂取が推奨される場合もあります。

獣医師と相談し、適切な量を確認しましょう。


水分摂取を促進する具体的な方法

1. 新鮮な水を常に用意する

  • 水の場所を複数設置:猫が自由に水を飲めるよう、複数個所に水を置きます。
  • 水の交換頻度を上げる:水は1日に数回交換し、常に新鮮な状態を保ちます。
  • 容器の種類にこだわる:陶器やガラスなど、猫が好む素材の器を探して使う。

2. ウォーターファウンテンを利用する

流れる水を好む猫には、ウォーターファウンテンがおすすめです。

水が新鮮に保たれるだけでなく、興味を引くことで飲水量が増える効果があります。

<注>ファウンテンによって、フィルター交換のしやすさに違いがあります

3. ウェットフードやスープを取り入れる

  • ウェットフードの活用:缶詰やパウチなど、水分含有量の多い食べ物なら、自然に水分摂取量が増えます。
  • 手作りスープを活用:鶏肉や魚を茹でたスープ(塩分や調味料不使用)を食事にかけることで、水分摂取を促します。

4. 味付けで水を飲みやすくする

少量のチキンスープやツナの水煮を混ぜて、飲みやすく工夫します。

ただし、塩分や調味料が含まれていないものを使用してください。

5. 猫が好む温度に調整する

水の温度を調整してみると飲水量が増えることがあります。

常温やぬるま湯など、猫の好みを探してあげて下さい。


水分摂取を促す際の注意点

1. 強制的に飲ませない

猫がストレスを感じるような方法で水を飲ませると、逆効果になることがあります。

無理のない範囲で、「自然に摂取」する工夫を心がけましょう。

2. 塩分や糖分に注意

手作りスープを利用する際は、塩分や糖分、添加物が含まれないように注意してください。

3. 飲水量の記録を取る

1日の飲水量を把握するため、与えた水の量と有難い量を測定してみてください。

獣医師側にとって、診察の際に非常に役に立つ、ありがたい情報となります。

4. 水分の過剰摂取には注意

過剰な水分摂取※が見られる場合、他の病気(糖尿病やホルモン異常)が関与している可能性があります。
※飲み水だけで、1日に250mL以上

獣医師の診察を受けるようにして下さい。


飼い主さんができること

  • 猫の飲水行動を観察
    水を飲む頻度や量(いつまでも飲んでいる)に変化がないか、注意深く観察します。
  • 工夫を取り入れて実践
    猫の好みや性格に合わせて、水分摂取を促す方法を調整します。
  • 獣医師と相談
    飲水量が少ない、または過剰な場合には獣医師に相談し、適切なケアを受けましょう。

まとめ

水分摂取の促進は、慢性腎臓病の猫の健康管理において欠かせない要素です。

日々のケアを通じて適切な飲水環境を整えることで、病気の進行を抑え、愛猫が快適に過ごせる時間を延ばすことができます。

 

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