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【猫の腎臓病】尿検査でタンパク(±)ってヤバいの??尿検査が大切な理由もあわせて解説

2022年11月21日

概要まとめ

尿検査は、慢性腎臓病の早期発見に、SDMAとともに有用な検査です。

尿比重や、潜血の有無などと同時に、”尿タンパク”の検査も行います。

検査結果で(±)という結果をもらった時、大丈夫なのかどうか?不安になりますよね。

猫の尿検査の場合、(±)は病的な異常ではない場合がほとんどです。

ただし、一応気にしておくべきポイント(理由)がありますので、併せてご確認ください。

  

1.タンパク(±)という結果はあまり気にしなくて良い

理由は、腎臓病以外の理由で、

微量のタンパク質が尿に混ざっている場合が多いからです。

一般的な尿検査試験紙

 

猫の尿にタンパク質が混ざる場合、3つの理由があります。

  1. 腎前性タンパク尿・・・大量のタンパク質を食べたので、尿の中に出た。
    (腎臓病とは無関係の場合が多い)
  2. 腎性タンパク尿・・・身体を作る栄養になるはずのタンパク質が尿の中に出た。
    病的なタンパク尿
  3. 腎後性タンパク尿・・・膀胱や尿道の炎症。血液などのタンパク質が尿に混ざる。
    腎臓病以外の病気)

 

アミノ酸が連なったものが"タンパク質"

 

補足ポイント

必須アミノ酸のうち、特にアルギニンは、尿毒症の原因となるアンモニアを尿素に変化させる(肝臓の仕事)際に必要で、
アルギニンが不足するとアンモニアから尿素を合成できず、高アンモニア血症を起こし危険な状態になる場合があります。

老廃物を代謝・分解するためには、必須アミノ酸の補給が必要です。

アミノ酸は皮下点滴に混和できないので、口から摂取する必要があります。

  

  • アルギニンは、アミノ酸の一種。猫にとって必要不可欠な栄養素です。腎臓や免疫系、神経系の健康を維持するのに重要
  • 慢性腎臓病を抱える猫の場合、アルギニンの代謝が低下してしまい、血液中のアルギニン濃度が低くなることがあります
  • アルギニンの補充は、猫の免疫力や体内の老廃物を排出する機能をサポート
  • アルギニンは、猫の筋肉量を増やす助けになります

  

2.タンパク(++)という結果はすごく気にしてほしい

人間では、タンパク尿が出るタイプの腎臓病が多く、

足がむくんだり、水分が身体に溜まるような症状が出ます。

 

猫では、タンパク尿が出るタイプの腎臓病は比較的少ないのですが、

タンパク尿が出ている場合には、状況を深刻に考える必要があります。

 

タンパク尿かどうかの判断

UPC=尿蛋白 ÷ 尿クレアチニンの値

尿検査試験紙でタンパク尿が疑われた場合には、

UPC(尿蛋白クレアチニン比)という検査を行います。

※尿検査です。多くは外注検査になります。

 

UPCが0.2~0.4は病的なタンパク尿を疑い、0.4以上は深刻なタンパク尿と考えます。

 

3.尿検査を大切にする理由

猫の腎臓病を毎日のように診察している獣医師ほど・・・

BUN、Creといった血液検査項目と同じくらい(もしくはそれ以上に)

尿検査や、体重の変化といった数字を重視します。 

 

尿検査のメリットは・・・

  • 痛くない検査
     
  • 費用が安価
     
  • クレアチニンよりも早期の腎臓病のサインになる

といった点があります。

 

尿比重

左:健康な猫の尿(濃い) 右:腎臓病の猫の尿(薄い)

腎機能が低下したネコさんは、尿の濃さがが薄くなります。

でも、体の老廃物は出したいので、尿の回数が増えます。

排尿の回数が増えると、喉が渇くのでたくさんお水を飲むようになり、

「多飲・多尿」となります。

 

犬・猫用の尿比重計

薄い尿の比重は「1.013」でした。

1回の測定で判断するのではなく、日を変えて何度測っても1.025以下というのは、何らかの異常があると考えます。

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