猫の慢性腎臓病の生活ケア~体重管理~
猫の慢性腎臓病(CKD)を管理する上で、体重管理は非常に重要なポイントです。
体重の増減(※特に減少)は猫の健康状態を把握する上での重要な指標です。
腎臓病の進行や合併症の徴候を早期に発見する手がかりとなります。
なぜ体重管理が重要なのか?
1. 体重の減少は栄養不足のサイン
慢性腎臓病の猫は食欲不振になりやすく、十分な栄養を摂取できなくなります。
これが体重減少につながり、筋肉量や体力が低下する原因になります。
2. 病気の進行を把握する指標
体重の変化は、腎臓病の進行状況や治療効果を判断するための、大きな手掛かりとなります。
突然の体重減少が見られた場合は、早急に対応が必要です。
体重管理の方法
1. 定期的な体重測定
- 頻度:少なくとも週1回、理想的には毎日測定します。
- 測定方法:
- 家庭用の動物用体重計を使う。
- 猫を抱っこして人間用の体重計で測り、その後自分の体重を引く。
- 記録:体重の変化をノートやアプリで記録し、獣医師に相談する際の情報として活用します。
2. 食事量の調整
- 摂取不足を防ぐため、1日の食事量を計量し、適切な量を与えます。
- 食事のカロリー量を確認し、体重の減少が見られる場合は高カロリーの療法食を取り入れます。
3. 筋肉量の維持
体重が安定していても、筋肉量が減少している場合があります。
腎臓病の猫では筋肉の分解が進みやすいため、食事管理や軽い運動を取り入れて筋肉量を維持しましょう。
※異化亢進、フレイルとも言います
健康的な体重維持の工夫
1. 適切な食事管理
- 栄養素のバランスを考慮した、食べ物を選びます。
- 嗜好性の高い食事を工夫し、食欲不振を防ぎます。
2. 少量を頻回に与える
食欲が低下している猫には、一度に多くの量を与えるよりも、少量を数回に分けて提供する方が効果的です。
3. 体重減少時のサポート
高カロリーのフードや栄養補助食品も活用します。
まとめ
体重のチェックは、猫の慢性腎臓病における重要なケアの一つです。
体重の変化を日々記録し、適切な食事と運動で健康的な体重を維持することで、病気の進行を抑え、愛猫の生活の質を向上させることができます。