多くの人々の心に響くメッセージを持った一冊です。
なぜこの本を読もうと思ったのですか?
この本を読む機会を得たのは、知人からの贈り物としてでした。
その方が「あまり読まなそうな本を選んだ」と言ってくれたことが、
私にとって新たな発見への扉を開いてくれました。
ベスト名言は?
特に心に残った名言は、伊集院静が夏目雅子さんの病床について記述した部分です。
『最後、もうだめだとなったとき、私にはお金がなく、彼女に一杯のワインも飲ませてやれなかった。(中略) よし、いまからお金をきちんと貯めて、お金に困らない人生を送ろう。そう考える人もいると思う。だが私は、もう金で揺さぶられる生き方はやめよう、と決意した。』
それでも前へ進む (講談社文庫)伊集院 静
と綴られています。
お金の価値を超えた人生の豊かさ。
「金で揺さぶられる生き方はやめよう」という決意が、私にとっても大きな共感となりました。
伊集院さんのこの決意は、健康や人間関係といった真の幸福の基を再確認させてくれます。
この本から得たものは?
家族との絆を重視する内容が多く、著者自身の家族への深い愛情と感謝が随所に表れています。
弟さんの突然の事故死、高齢の母親への配慮、異文化の父親との関係、そして愛する妻への追悼といった、
家族一人一人に対する深い思いやりが感じられました。
これらの記述から、私も「家族や身近な人をもっと大切にしよう」と強く思うようになりました。
この本を読んで、今後、取り入れたいことは?
本書の第1部では、「車窓にうつる記憶」と題して、列車の窓から見える景色と作者の過去の想い出が結びつけられています。
私も列車移動が大好きで、若い頃はよく一人旅をしていました。
年に数回でも、日帰りの列車旅をすることを決めました。創造性の源泉、日常生活のリフレッシュにも繋がると思います。
おすすめ度 ★★★★☆
『それでも前へ進む』を通じて、伊集院静がどのように人生の困難に向き合い、それでも前を向いて進む力を持っているのかが伝わってきます。
人生観、特に金銭や物質的な価値を超えた幸福の追求は、現代社会において我々が見失いがちな大切な教訓を提供してくれます。
この本を読んで、日常のちょっとした幸福に気付く機会を得ました。