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注射部位肉腫:愛猫を守るために知っておくべきこと

2023年9月21日

 

 

 

こんにちは、臨床経験20年の獣医師です。

日々のクリニック診療と並行して、皆さんに有益な情報をお届けするため、

今回は「注射部位肉腫」について詳しくお話ししましょう。

 

AIが作成したまとめ

注射部位肉腫はまれではありますが、発生した場合のリスクは極めて高いです。

しこりや変化に気づいたら、3・2・1ルールに基づいて獣医師の診断を受けましょう。

いち早く対応することで、愛猫を守る最善の手段となります。

愛猫の健康のためにも、疑わしい症状があれば遠慮なく相談してください。

それが、注射部位肉腫の最も確実な予防法です。

 

何はともあれ、「肉腫」とは?

まずは基本から。

肉腫という言葉は病理学の用語であり、

「非上皮性の悪性腫瘍(がん)」を指します。

これは要するに非常に攻撃性のあるタイプのがんです。

 

注射部位肉腫とは?

かつては「ワクチン接種部位肉腫」や

「ワクチン関連性肉腫」と呼ばれていましたが、

ワクチン以外の注射薬も関与することが明らかになり、

「注射部位肉腫」という名前が一般的になっています。

抗生物質、長期作用型ステロイド、インスリンなどもリスク因子とされています。

 

注:採血によって肉腫は発生しません。

 

発生頻度とリスク

日本での疫学調査はまだありませんが、

アメリカとカナダの調査によると、

ワクチン接種を受けた31,671例中で肉腫が2例(0.0063%)発生しています。

しかしこの数値は決して安心できるものではありません。

なぜなら、この肉腫は非常に厄介な性格を持っているからです。

  • 速やかに大きく、深く浸潤していく
  • 再発しやすい(切除後6ヶ月以内に80%以上が再発)
  • 転移する可能性も(肺、リンパ節、肝臓、骨盤など)

 

症状が現れたらすぐに相談を

何か違和感、特にしこりを感じたら、

できる限り早く獣医師に相談することが肝心です。

そこで導入されているのが「3・2・1ルール」です。

  • しこりが3ヶ月以上存在している
  • 2cm以上になったとき
  • 1ヶ月以上大きくなり続けている

 

このような症状があれば、組織生検(病理検査)をおすすめします。

見た目にはなんでもないように思えても、確認する価値は大いにあります。

 

予防策は?

  • 不必要なワクチンは避ける
  • 切除が難しい場所には注射をしない
  • ワクチンは皮下に注射する

 

  

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