生きて腸まで届く乳酸菌や、食物繊維で善玉菌を増やそうなど・・・
近年、免疫機能の改善に腸活を!という情報は多く入ってきます。
でも、具体的に…
- 食物繊維ってどんなもの?
- 乳酸菌って生きて腸まで届かないと意味ないの?
- 肉食動物の猫と、人や犬の腸は違うんじゃない??
といった、疑問を整理してみたいと思います。
腸活の概念
古くから、日本では腸内細菌の研究が盛んで、腸内細菌のバランス"腸内フローラ"は、体調…とくに免疫機能と密接に関係していることが明らかになってきました。
腸内フローラの乱れは、下痢・便秘だけではなく、免疫が関係する炎症性腸疾患をはじめ、様々なアレルギー性疾患との関係が見られます。
「腸に良い食生活は、身体全体の健康をもたらす」…医食同源という考え方にも直結する、腸活の基本的な概念です。
腸内細菌
便は最終的に大腸が水分を吸収して固形状になりますが、腸内細菌が消化された食べ物を発酵・分解して便を作っています。
大腸の表面には1000種類とも100兆個以上ともいわれる 「腸内細菌」が存在していて、腸内フローラ(お花畑)と言われています。
腸内細菌は、有益な働きをする善玉菌、下痢や消化不良の元になる悪玉菌のバランスが重要ですが、善玉と悪玉のどちらとも言い切れない日和見菌というものが全体の7割ほどを占めます。
善玉菌は、消化物が発酵するときに増殖して、酵素 (食べ物の消化や化学反応を助ける物質)やビタミンなどを作ってくれます。
食べ物の発酵は、動物種・食べているものによって大きく変わってきます。
草食動物と肉食動物、雑食性の動物で、腸内細菌のバランスが違います。
草食動物でも、反すうをして食べ物を消化する牛やヤギは、胃袋(第1胃)の細菌が発酵を行い、馬の消化管では大腸で発酵が行われます。
お腹の調子をサポートするサプリメントを使用する場合は、「犬猫用」より、「犬用」「猫用」と分かれている方が、動物種による違いを考慮されていると思います。
腸内細菌のうち善玉菌は、消化酵素を作ってくれます。
動物の本来分泌する消化酵素(胃液など)だけでは食物繊維を分解できませんが、善玉菌はこれを消化してくれます。
食物繊維は消化されると、善玉菌が増える栄養になっていく…という好循環が生まれます。
食物繊維
例えばロイヤルカナンの消化器サポート(ドライ)には、「可溶性繊維」の表示があるタイプとないタイプがあります。
一般的には、下痢をしているときには、
便秘をしているときには、
を奨められることが多いと思います。
食物繊維には「可溶性繊維(水溶性繊維ともいいます)」と、「不溶性繊維」の2種類の繊維質があります。
可溶性繊維
便をやわらかくする働き。摂り過ぎると下痢を起こす場合があります。
不溶性繊維
水分を吸い込んでふくらみます。腸を刺激して排便を促しますが、摂り過ぎると、便が固くなったり、便の量が多くなり便秘の原因となる場合もあります。
身体の健康に良いもの・必要なものであっても、バランスよく摂取することが大切です。
減量用フードと不溶性食物繊維
猫用の減量用フードには、満腹感を維持するために食物繊維の含有量を増やしているものがあります。
これら原料用フードに含有されている食物繊維は、主に不溶性食物繊維で、食べる量のわりに低カロリーで、便の量が増える傾向があります。
便秘がちな猫の場合は、食事切り替えの際に注意が必要です。
乳酸菌~生きたまま腸に届く・・・
腸で糖質を分解して乳酸を作り出す細菌を、乳酸菌といいます。
乳酸菌は、食べ物が腐敗して有害物質が発生するのを抑えるので、「善玉菌」と言われます。
腸活の概念は、腎臓の機能が落ちた際にも役立ちます。
乳酸菌が消化管内の窒素物を分解して毒素を排泄する、補助的な役割も期待されています。
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余談ですが、食べ物に含まれる乳酸菌は、胃酸によって腸に届く前にそのほとんどが死んでしまいます。
ただ・・・
生きて腸まで届かなくても、死んでしまった乳酸菌は腸内でほかの善玉菌を増やす栄養になるので、 腸内環境の改善に役立ちます。
ビオフェルミンをあげてもいいですか?
人用のビオフェルミンを猫に与えても問題ありませんが、
食べ物の消化は、動物種や食べているものによって大きく変わってきます。
草食動物と肉食動物、雑食性の動物で、腸内細菌のバランスが違います。
『ヒトにはヒトの乳酸菌』というキャッチコピーがあるように、
猫には、猫用の乳酸菌と書かれている方が、猫の腸のことを考慮されていると思いますよ。