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要約
高齢猫の夜鳴きの原因は、病的なもの、脳の老化によるもの、周りからの刺激によるもの、ストレスによるものなどが考えられます。
病的なものに対しては、薬や食事療法(サプリメント)によって改善が期待できるものもあります。
食事、栄養学の介入によって、認知機能の低下因子を軽減するアプローチの研究も試みられています。
高齢猫の夜鳴き ~病的なもの~
病的なものが原因となる場合、"痛み"を伴っているものが考えられます。
ケア方法
- 高血圧がみられる場合には、血圧をコントロールするお薬を始めます。
- 甲状腺機能亢進症の場合は、抗甲状腺ホルモン薬の処方を検討します。
- 骨や関節からくる痛みには、鎮痛剤が処方される場合が多いですが、なるべく長期の連用は避けたいので、関節系のサプリメントを併用する場合もあります。
また、"痛みと痒み"は神経の回路(感じ方)が似ているので、お耳そうじや爪切り、ブラッシングなど、美容的なケアも大切です。
高齢猫の夜鳴き ~加齢、周りからの刺激によるもの~
加齢によるものと判断する前に、先述の「病的なもの」の除外(否定)をしておくことが大切です。
病的なものとストレス性のものが混在している場合も考えられます。
- 脳の老化(認知症様症状)
- 周りからの刺激(明るいのがイヤ、明るくないとイヤ、静かがイヤ、静かじゃないとイヤ、など)
ケア方法
脳の老化そのものを食い止めるようなお薬は、まだ開発されていません。
食事、栄養学の介入によって、認知機能の低下因子を軽減できるアプローチの研究が試みられています。
脳は栄養源としてグルコース(糖)を主に使いますが、年齢を重ねるにつれ、脳はグルコース(糖)をエネルギー源として利用しづらくなります。
そのため脳の細胞はエネルギー不足に陥りダメージを引き起こすような状態になります。
エネルギー不足にならないように、グルコースの代わりになる エネルギー源としてケトン体を脳に供給することが研究されています。
中鎖トリグリセリド(MCT)は体内で代謝されてケトン体になり、神経細胞へのエネルギー源となる可能性が示唆されています。
★MCTの食餌療法は高齢犬において長期的な認知機能改善に影響を示す(高齢犬による研究)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20141643/
高齢猫の夜鳴き ~ストレス・要求によるもの~
- 空腹・・・何か食べたい
- トイレの問題・・・片づけてほしい
- 構ってほしい・・・撫でて
ケア方法
我が家の昔の保存画像を見返すと・・・
その時その時で、いろんな工夫をしていたのを思い出します。

音が無いとイヤなのかな?と、ラジオをつけて部屋に置いてみたり・・・。

夜鳴き対策は無視に限るというような意見も目にしますが、
特に高齢猫の夜鳴きに対して、”無視”はデメリットしかないと感じます。

【補足】
多少抵抗を感じられるかもしれませんが、飼い主さんご自身の生活が破たんしかねない状況の場合には、猫さんに抗不安剤や鎮静剤、睡眠導入剤を使用することもあります。