要約
高齢猫の夜鳴きの原因は、
▶病的なもの
▶脳の老化によるもの
▶周りからの刺激によるもの
▶ストレスによるもの
などが考えられます
病的なものは、薬や食事療法(サプリメント)によって改善が期待できるものもあります
食事、栄養学の介入によって、
認知機能の低下因子を軽減するアプローチの研究も試みられています
高齢猫の夜鳴き ~病的なもの~
病的なものが原因となる場合、"痛み"を伴っているものが考えられます。
ケア方法
- 高血圧がみられる場合には、血圧をコントロールする薬を検討します
- 甲状腺機能亢進症の場合は、抗甲状腺ホルモン薬の処方を検討します
- 骨や関節からくる痛みには、鎮痛剤が処方される場合が多いです
長期の連用は避けたいので、関節系のサプリメントを併用する場合もあります
"痛みと痒み"は脳の感じ方が似ています
耳そうじや爪切り、ブラッシングなど、美容的なケアも大切です
高齢猫の夜鳴き ~加齢、周りからの刺激によるもの~
「歳のせい」と、加齢の影響と判断する前に、先述の「病的なもの」の除外(否定)をしておくことが大切です
病的なものと、ストレス性のものが混在している場合も考えられます
- 脳の老化(認知症様症状)
- 周りからの刺激(明るいのがイヤ、明るくないとイヤ、静かがイヤ、静かじゃないとイヤ、など)
ケア方法
脳の老化そのものを食い止めるようなお薬は、まだ開発されていません
食事、栄養学の介入によって、認知機能の低下を軽減する研究が試みられています
脳は栄養源としてグルコース(糖)を主に使います
年齢を重ねるにつれて、脳は糖をエネルギー源として利用しづらくなります
そのため脳の細胞はエネルギー不足に陥り、ダメージを受けてしまいます
エネルギー不足にならないように、糖の代わりになるエネルギー源が研究されています
中鎖トリグリセリド(MCT)は、神経細胞へのエネルギー源となる可能性が示唆されています
★MCTの食餌療法は高齢犬において長期的な認知機能改善に影響を示す(高齢犬による研究)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20141643/
高齢猫の夜鳴き ~ストレス・要求によるもの~
- 空腹・・・何か食べたい
- トイレの問題・・・片づけてほしい
- 構ってほしい・・・撫でて
ケア方法
我が家の昔の保存画像を見返すと・・・
その時その時で、いろんな工夫をしていたのを思い出します。

音が無いとイヤなのかな?と、ラジオをつけて部屋に置いてみたり・・・。

夜鳴き対策は無視に限るというような意見も目にしますが、
特に高齢猫の夜鳴きに対して、”無視”はデメリットしかないと感じます

【補足】
多少抵抗を感じられるかもしれませんが、抗不安剤や鎮静剤、睡眠導入剤を提案することもあります
※飼い主さんご自身の生活が破たんしかねない状況の場合