☆Q&Aで基礎情報をチェック☆猫のフィラリア予防、必要?不要?【獣医師執筆】

ウエルネス

 

先日、猫のフィラリア症の予防について、
Twitterでアンケートを実施しました。

 

ご協力ありがとうございました。

猫にフィラリア予防は必要?不要?

猫にフィラリア予防は必要ですか?

必要か不要か2択であれば、可能な限りおすすめします。
治せない病気だから」というのが1つの大きな理由です。
予防できる病気だから」というもう一つの理由もあります。

発生率は低いのですが、ウチのような小さな診療所に来ている猫さんにも、
年に1~2件、理由のわからない突然死が発生します。

診断が難しい病気なので、本当のことはわかりませんが、
フィラリアが原因だったかもしれないという疑問が残っています。

予防には費用もかかりますし、
薬の合う・合わないもあります

予防しないのは”悪い事”だ!
”愛情が足りない!”といった極端な考え方ではなく、

こういう病気もあるので、
可能であれば予防してあげるといいと思います
と、やんわりめの啓蒙をしています。

ただ、今回のアンケートを見て、
一昔前に比べると、猫のフィラリア予防を求む意見は
かなり高まっているんだなと、感じました。

フィラリア予防薬の処方で動物病院は儲かるから奨めていると聞きますが実際どうですか?

20年くらい前、犬のフィラリア予防薬は、
かなり安価な錠剤タイプのお薬が主流でした。

現在流通しているノミ・マダニ・フィラリア予防薬は、
犬用のチュアブル薬も、猫用のスポットオン剤も、
原価は当時の数十倍になっているので、
現在は、それほど儲かる処方ではありません。

猫のフィラリア予防の方法は?

猫のフィラリア予防は、何月から始めますか?

お住いの場所の気候により違いますが、
5月から12月くらいまでです。

フィラリアは、蚊が媒介する病気です。
予防薬は、フィラリアを小さいうちに駆虫するものなので、
春、蚊が出始めたあと、1か月後から始めます。(5月頃)
秋は、蚊がいなくなった1か月後まで行います。(12月頃)

猫のフィラリア予防薬は、ノミやマダニの予防も兼ねているため、
3月ごろから始めたり、場合によっては、
通年予防という考え方も広まりつつあります。

猫のフィラリア予防薬は注射ですか?痛がりますか?

現在、猫のフィラリア予防薬として処方されるお薬は、
スポットオン製剤(首の後ろの皮膚につける塗り薬)です。

注射ではないので痛みはありませんが、
薬剤が付着した感覚を嫌がる猫さんが時々います。

猫の皮膚は人間と比べてとても薄いので、
皮膚に付けた薬が体の中に吸収されます。
※経皮吸収といいます

ブロードライン、レボリューションプラスの違いは何ですか?
猫に負担のない薬はどちらですか?

大きな違いは、ブロードラインは条虫類(サナダムシ)の駆虫が可能です。
瓜実条虫というサナダムシは、ノミから感染しますので、
ノミの寄生が多い場合には、条虫の駆虫が可能なブロードラインを使用します。

ブロードラインは液量が0.9ml(体重2.5~7.5kgの場合)と少し多めです。
レボリューションプラスは0.5ml(体重2.5~5kgの場合)です。
※お弁当やお刺身に付属されているお醤油が約4mlです。

猫に負担は…となると、色々な切り口で考えられますが、

ブロードラインの中には、薬用成分が4種類入っています。
レボリューションプラスは、薬用成分は2種類です。

薬の成分が多種類だと、負担が大きいかというと、
薬が「合う・合わない」の話なので、一概には言えません。

動物用医薬品等副作用データベースに報告がある副作用は、

レボリューションの報告は、約15年で38件。
レボリューションプラスは、約1年半で3件。
ブロードラインは、約5年で22件の報告があります。
(※2021年3月4日現在)

猫のフィラリア症の症状・診断

猫のフィラリア症の症状は?

咳、息切れ、体重減少、嘔吐、悪化すると…
食欲不振、突然死・・・と怖い情報が見られると思います。

どれも怖い症状ですが、フィラリア独特の症状ではないので、
色々な場面でフィラリアを疑う必要があり、それは逆に、
フィラリアを見逃してしまう可能性があるとも言えます。

たとえば、咳の症状は猫の喘息と誤解されやすく、
フィラリアと診断できていない例もあるかもしれません。

猫のフィラリア症の抗原検査、抗体検査とは何ですか?

抗原検査フィラリア(メスのみ)成虫の体の成分を見つける検査です。

猫のフィラリア感染は、一般的に寄生数が少なく、
未成熟虫も発症にかかわっているので、
成虫抗原検査は犬ほど正確な検査ではありません

陽性:成虫に感染していると考えられます。
陰性:成虫感染の可能性は低くなりますが、
この結果に基づいて感染を否定することはできません。

抗体検査:フィラリアに感染した時に猫さんの体で作られる、
フィラリアを攻撃する免疫物質です。

陽性:今までにフィラリアに感染したことがあると考えられます。

陰性:過去フィラリアに感染した可能性は低くなりますが、
この結果に基づいてフィラリア感染を否定することはできません。

猫のエイズ・白血病ウイルスのように、
院内簡易キットで判断できるような検査ではありません。

身体検査所見、抗原検査·抗体検査、X線検査、
心エコー検査を組み合わせて総合的に判断する必要があります。

猫のフィラリア症だと診断できた場合、どんな治療法がありますか?

根本的な治療は難しく、現実的には症状の軽減・対症療法になります。

ステロイド薬:臨床徴候を軽減し肺炎を抑えるため。
フロセミド:肺水腫を抑えるため。

ジルチアゼム:臨床徴候および肺性高血圧を減らすため。
酸素:急性心肺不全の管理・改善のため。

猫に対して安全な殺成虫剤がないので、殺成虫治療は推奨されない。

※予防が最大の治療となります。

まとめ

猫のフィラリア予防は必要ですか?

  • 診断や治療が非常に難しい病気なので、予防してあげられると良いと思います。
  • 少なくとも、予防したい飼い主さんに「やらない方がよい」と否定する理由はありません。
  • ただしワクチンなどと同様、一定数の副作用報告があります。
  • 費用もある程度かかります。
  • 違うことに費用を使うという考え方も、同意・うなずけます。

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